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医師の思いやり次第で糖尿病患者の寿命が変わる?

  • 公開日: 2019/8/22
  • 更新日: 2020/3/26

 親切で理解のある医師は糖尿病患者の寿命にも好影響を与える可能性が、英ケンブリッジ大学のHajira Dambha-Miller氏らにより報告された。糖尿病患者に対しプライマリケア医が共感を示していた場合、患者の早期死亡リスクが低かったという。研究の詳細は、「Annals of Family Medicine」7/8月号に掲載された。
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 この研究は英国内49カ所のクリニックで治療を受けている2型糖尿病患者628人を対象に行われた。患者は、平均年齢61±7.1歳、男性60%、97%が白人で、HbA1cの平均は6.51±0.86%だった。糖尿病の診断から1年後に、患者に対して医師が示した共感のレベルをアンケートによってスコア化し、その後平均10年間追跡した。

 追跡期間中に132人(21%)が死亡し、120人(19%)が心疾患イベントを起こした。そして患者に対する医師の共感度が高い場合はそうでない場合に比べて追跡期間中の死亡リスクが40~50%低いことが判明した。

 具体的には共感度スコアを三分位に分け、年齢、性別、HbA1c、血清脂質値などで調整後に最低分位を基準として死亡率を比較した。その結果、第二分位はハザード比0.49(P=0.01)で有意なリスク低下が見られ、最高分位もハザード比0.60(P=0.05)だった。心血管イベントとの関係は、第二分位がハザード比0.64(P=0.13)、最高分位がハザード比0.66(P=0.16)と有意水準には至らなかったが、共感度スコアが高いほどイベントリスクが低い傾向が見られた。

 Hajira氏は、「進行の抑制が可能な慢性疾患の管理ではこれまで、精緻な治療目標設定、新たなテクノロジーに基づいた評価が重視されており、人間同士の共感という見方がおろそかにされてきた」と指摘した上で、「今回の研究によって糖尿病の初期における患者とのより人間的な関わりあいが、長期的な転帰にとって重要であることが示された。その潜在的な影響力は大きく処方薬と同等であり、かつ薬物治療で見られるような副作用やアドヒアランス上の懸念もない」と強調している。

 さらに同氏は「患者の気持ちを汲み取り、患者の視点に合わせられる医師は、患者に対して処方薬の服薬や、運動量の増加など治療に必要な生活習慣の改善・維持を順守させやすいのではないか」と述べるとともに、「共感とはおそらく、医師が患者の声を傾聴し、患者が苦悩している真の理由を医師に打ち明けるという信頼の表れであり、それによって臨床上の問題の対処が可能になる」と付け加えている。(HealthDay News 2019年 8月12日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/mis-cancer-news-102/caring-doctors-can-be-life-changing-for-diabetic-patients-748171.html

Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
http://www.annfammed.org/content/17/4/311.full

News Release
https://www.cam.ac.uk/research/news/patients-with-an-empathic-gp-at-reduced-risk-of-early-death

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