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慢性腰痛に対する指圧の効果を確認――聖路加国際病院グループ

  • 公開日: 2019/8/26
  • 更新日: 2020/3/26

 慢性腰痛に対する指圧の有効性がランダム化比較試験で示された。聖路加国際病院内科の小林大輝氏らのグループが報告した。研究の詳細は「Complementary Therapies in Medicine」8月号に掲載された。
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 指圧は1920年代に日本で開発され、現在は欧米でも補完代替医療の一つとして普及している。しかし指圧の有効性に関する質の高いエビデンスは、これまでのところごく限られたものしかない。小林氏らの研究は、指圧による疼痛改善などの有効性を科学的手法で明らかにしたものとして注目される。

 対象は腰痛が3カ月以上持続し、腰痛特異的評価法であるローランド・モリス障害質問票(RMDQ)のスコアが4点以上の患者59名(平均年齢67.8±13.5歳、男性35.6%)。除外基準は、がん骨転移、細菌性脊椎炎、急性圧迫骨折、膠原病、認知症など。対象を無作為に指圧療法群と標準療法群に群分けした上で、両群ともに世界保健機構(WHO)の疼痛緩和ラダーに基づく除痛治療を開始。それに加えて指圧療法群では最初の4週間にわたり週1回1時間の指圧療法を施行し、次の4週間は標準療法群と同じ治療(除痛治療のみ)を行った。ベースライン時の主な患者背景は両群間で有意な差はなかった。

 主要評価項目は治療開始後4週および8週時点のRMDQスコアとし、二次評価項目として他のスケール〔マクギル疼痛質問表簡易版(SF-MPQM)、オスウェストリー障害指数(ODI)、EQ-5D〕により疼痛と生活の質(QOL)を評価した。

 治療開始から4週経過時点での検討では、疼痛指標のRMDQ、SF-MPQM、ODIは両群とも同程度に改善しており、顕著な群間差は見られなかった。QOLの指標であるEQ-5Dは標準療法群に比し指圧療法群で改善幅が大きい傾向があったが有意ではなかった(P=0.08;ITT解析)。

 その後、指圧療法群も標準療法に移行して4週間介入を継続し、ベースラインから計8週間経過した時点での比較では、一次評価項目のRMDQは引き続き指圧療法群でより大きく改善していたが、有意差には至らなかった(P=0.06)。しかし二次評価項目のSF-MPQM(P<0.05)、ODI(P<0.01)、EQ-5D(P=0.01)はいずれも指圧療法群の改善幅が有意に大きかった。以上より、腰痛に対する標準的な除痛治療に指圧を組み合わせることで、疼痛・QOL改善の上乗せ効果を期待できることが示された。

 本研究の限界として著者らは、プラセボ効果の関与を否定できないことを挙げている。ただし、指圧を含む補完代替医療において、プラセボ効果はそれ自体が有効性の一つと考えられる。よって著者らも本研究の結果について「腰痛に対する厳密な効果というよりも指圧の全般的な有効性を示したものである可能性がある」と論文内で述べている。(HealthDay News 2019年8月26日)

Abstract/Full Text
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0965229919302778

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