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第111回看護師国家試験対策|ズバリ予想問題【解説】11問

予想問題11:生涯にわたる凝固因子製剤の補充療法が必要な疾患はどれか。

1.血友病
2.特発性血小板減少性紫斑病
3.急性白血病
4.IgA血管炎


解答:1


1.(〇) 凝固因子の合成に関わる遺伝子が先天的に欠損しているため、凝固因子を自ら合成することができない。そのため、生涯にわたり凝固因子製剤を家族または自分で注射して補充する必要がある。
2.(×) 脾臓の機能が亢進して、血小板数が減少し、出血傾向が出現する疾患である。脾臓にあるリンパ球が自らの血小板を過剰に壊す自己免疫性疾患である。リンパ球の働きを抑えるために副腎皮質ステロイドを用いることが多い。
3.(×) 急性白血病は、白血病細胞によって正常な造血幹細胞が減少し、血小板の減少によって出血傾向を示す。化学療法によって治療し、対症療法として血小板輸血を行うこともある。
4.(×) 全身の小血管が炎症を起こし、点状出血が生じる。IgA抗体が関与していると考えられている。予後良好で自然治癒する場合が多い。

なぜこの問題が出題されそうか

 国家試験では、止血・血液凝固のメカニズム(血管因子、血小板因子、凝固因子が関与)を問うものが多く出題されています。そこで、今回は出血傾向をきたす疾患と、原因因子との関係について理解度を確認する問題を作成してみました。


 また、正解となる血友病は、伴性劣性遺伝という遺伝形態をとります。男子にのみ疾患が現れるのが伴性劣性遺伝病で、血友病やデュシェンヌ型筋ジストロフィーはその代表です。遺伝疾患は先天性の障害を持ち、幼くして亡くなったり、生涯にわたって自己管理が必要になったりすることから小児看護学のテーマとして重要です。


執筆・解説

廣町 佐智子<日本看護研究支援センター 所長>

看護系短大・大学での教員経験ののち、2002年より日本看護研究支援センターにて、臨床看護師の看護研究指導に従事。同時に、解剖学や看護師国家試験対策の非常勤講師として、全国の看護学生の指導も経験。国家試験のすべての領域についてのわかりやすい指導には定評がある。