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第111回看護師国家試験対策|ズバリ予想問題【解説】13問

予想問題13:退行性変化と進行性変化をともに促進させるのは次のうちどれか。

1.産褥体操
2.水分摂取
3.吸啜刺激
4.腹部冷罨法


解答:3


1.(×) 産褥体操は悪露の排出を促し、子宮復古を促す。すなわち退行性変化を促進する。
2.(×) 水分摂取は退行性変化(子宮復古)や進行性変化(乳汁分泌)とは直接関係がない。
3.(〇) 吸啜刺激は、視床下部を刺激し、下垂体前葉からプロラクチンを分泌させ、乳汁分泌を促進させる(進行性変化)一方、下垂体後葉からのオキシトシンの分泌を促進させ、子宮復古(退行性変化)を促進させる。
4.(×) 腹部冷罨法は分娩直後の子宮復古の促進に用いられる。


なぜこの問題が出題されそうか

 妊娠・分娩・乳汁分泌は一連のホルモンの作用によって進行します。看護師はこのホルモンの作用が適切に進み、身体の変化に女性が適応できるように援助する必要があります。


 母性看護学の問題は比較的安定していて解きやすくできていますが、ホルモンの知識が問われる問題になると正答率が下がる傾向にあります。そこで、皆さんの力を試す目的で、あえてこのような問題を作成してみました。また、国家試験では、言葉の意味を正確に理解しているかを試す問題が多く出題されます。今回、問題文に「退行性変化」と「進行性変化」という言葉を入れてみましたが、正しく理解できていましたか?


 わからなかった場合はきちんと確認しておきましょう。


執筆・解説

廣町 佐智子<日本看護研究支援センター 所長>

看護系短大・大学での教員経験ののち、2002年より日本看護研究支援センターにて、臨床看護師の看護研究指導に従事。同時に、解剖学や看護師国家試験対策の非常勤講師として、全国の看護学生の指導も経験。国家試験のすべての領域についてのわかりやすい指導には定評がある。