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第111回看護師国家試験対策|ズバリ予想問題【解説】14問

予想問題14:うつ病の極期にみられる症状は次のうちどれか。

1.カタレプシー
2.昏迷
3.フラッシュバック
4.アンビバレンス


解答:2


1.(×) カタレプシーとは、統合失調症の「緊張型」にみられる症状で、ある姿勢をとらせると、いつまでもその姿勢をとり続けるような状態をさす。
2.(〇) 昏迷とは、意欲が極端に失われた状態で、意思や行動が認められなくなる状態をさす。うつ病の極期にみられる症状で、自殺念慮があったとしても、行動に移す意欲はない。食事、排泄、清潔など日常生活全般の援助が必要になる。
3.(×) フラッシュバックとは、突然、外傷体験(災害、虐待など)をありありと思い出すこと。急性ストレス障害や、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で出現する症状である。
4.(×) アンビバレンスとは量価性ともいわれる。同一対象に、相反する感情(愛と憎しみ、尊敬と軽蔑など)を同時にもつことで、統合失調症にみられる。


なぜこの問題が出題されそうか

 精神疾患の多くは、血液検査や脳波、画像診断等で異常値が示されません。診断は、精神症状を中心に行っています。精神疾患の国際的な診断基準である「DSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル第5版)」をみても、診断は、患者の精神症状によることがわかります。精神医療においては、精神症状を示す言葉を正確に理解することは大前提なので、看護師国家試験でも多数出題されています。


 特にうつ病の患者数は多いので、しっかりと症状と意味を理解しておく必要があるでしょう。


執筆・解説

廣町 佐智子<日本看護研究支援センター 所長>

看護系短大・大学での教員経験ののち、2002年より日本看護研究支援センターにて、臨床看護師の看護研究指導に従事。同時に、解剖学や看護師国家試験対策の非常勤講師として、全国の看護学生の指導も経験。国家試験のすべての領域についてのわかりやすい指導には定評がある。