内視鏡検査(上部内視鏡検査・下部消化管内視鏡検査)|看護師の役割と検査説明のポイント
- 公開日: 2013/12/27
これから受ける検査について患者さんから質問されたとき、どう答えていますか? ここでは、頻度の高い画像検査に絞って、看護師が患者さんへの説明時に知っておきたい検査のポイントを解説します。今回は、内視鏡検査についてです。
内視鏡検査とは?どんな検査なのか?
内視鏡検査は、先端に超小型カメラがついた細い管(ファイバースコープ)を、体内に挿入して組織の状態を観察する検査法です。内視鏡検査には、上部消化管内視鏡検査、下部消化管内視鏡検査などがあり、上部消化管では咽頭麻酔後に、下部消化管では肛門に麻酔の含まれたゼリーを塗布した後に、内視鏡が挿入されます。また、苦痛を伴う検査なので、病院によっては鎮静をかけて行う場合もあります。
検査の前投薬として使用される薬剤には、次のようなものがあります。
- ●局所麻酔薬 キシロカイン®、ビスカス、キシロカイン®ポンプスプレーなど
- ●消化管運動抑制薬 ブスコパン®、グルカゴンなど
- ●鎮静薬 セルシン®(抗不安薬・睡眠薬)、オピスタン®(医療用麻薬)など
検査では、患者さんの鼻や口(当院では口からのみ)、あるいは肛門からファイバースコープを挿入し、体内の様子を直接モニターに映しながら観察していきます。状態に応じて生検やポリープ切除などの内視鏡的治療が行われることもあります。
内視鏡検査で何がわかるのか
上部消化管では食道・胃・十二指腸などを、下部消化管では大腸と小腸の一部を直接観察でき、炎症や潰瘍、腫瘍などの診断、出血部位の特定、組織検査で生検などを行うほか、ポリープ切除、狭窄部分の拡張、潰瘍性出血の止血などの内視鏡的治療を行うことができます。主な適応は次の通りです。