【看護倫理・事例】第7回<問題編> マンパワー不足によるジレンマ
- 公開日: 2014/8/12
日々の看護のなかに意外に多く潜んでいる倫理的問題。それらの解決のためには、倫理的問題に気づくセンスが欠かせません。
今回は、患者さんの意思決定にまつわるケースを通して問題を掘り起こしてみましょう。
「せめてトイレに行って排泄したい」と訴える患者さんを、なんとかトイレに行かせてあげたいのだが・・・
今回の患者さん
- 上田景子さん(仮名)
- 50歳
- 女性
- 乳がんの術後再発
せめてトイレに行って排泄したい・・・
上田さんは、乳がんのリンパ節転移により右上肢に浮腫と痛み、麻痺があり、両下肢にも骨転移による麻痺があります。
入院時から排尿・排便障害がみられ、排尿はバルーンカテーテルを挿入し、排便は浣腸と下剤でコントロールし、ベッド上で行っています。
しかし、床上排泄のために腹圧がかけられず、常にスッキリ排便できない感じがあり、上田さんは、入院時から「せめてトイレに行けるようになりたい」と話しています。
トイレでの排泄にトライ
そこで、上田さんの「トイレに行きたい」ニーズを満たすために、ベッドサイドでのリハビリを開始しました。
しかし、ポータブルトイレへの移乗では、上田さんには血圧低下による気分不快がみられ、座位保持も不安定であることから、トイレ移乗は難しいと判断されました。
参考になった
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参考にならなかった
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