【7】パワーハラスメント(パワハラ)⑤ 過小な要求│ハラスメント対処のポイント
- 公開日: 2019/10/5
ラダーによって予防ができる過小な要求
「異動してきた中堅スタッフに、いつまでもリーダー業務をさせない」「主任に昇格したのに、師長が主任の業務を任せない・教えない」「入社して1年も経つ事務スタッフにコピーしかとらせない」──これらは「過小な要求」といわれるパワハラです。看護師や病院で働くスタッフは、ラダー(クリニカルラダー)がしっかりとあるところが多いのに加え、業務も多忙なため、過大な要求に比べると、このような過小な要求はあまりみられないかもしれません。
ですが、自分の能力に見合わないような簡単な仕事ばかりをしていると、自己効力感が低下し、自分自身の価値を低く感じるようになってしまいます。つまり、自信を喪失していくことになります。
看護の場面でよく起こるのは「仕事を引き継いでもらえない」ことです。「忙しくて教える時間がないから……」と言って、先輩が業務を教えてくれないことがよくあります。相手は、いつまでも仕事ができるようにならないあなたに、優越感を感じているといったケースも考えられます。
もしラダーなどが整備されていない病院の場合には、任せられている業務を一度すべて書き出し、「1年目の仕事」「2年目の仕事」といったように整理しておくと、過小な要求および過大な要求が起こることを予防することができるでしょう。
(ナース専科2018年6月号より転載)