【9】アカデミックハラスメント(アカハラ)│ハラスメント対処のポイント
- 公開日: 2019/10/19
学生からの質問に誠意をもって答えないのもアカハラ
近年、よく話題に上るようになってきたアカデミックハラスメント(アカハラ)。2008年12月、早稲田大学のハラスメント相談に関する個人情報が、インターネット上に流出したことが明らかになりました。早稲田大学の発表によれば、流出したデータは719件。1999年4月~2007年5月の間に大学に寄せられたハラスメントに関する受付リストの一部で、申立人の氏名、ハラスメントの分類(セクハラ、アカハラ、パワハラ、ストーカー、その他など)、相手方氏名(性別・所属)が含まれていたのだそうです。約8年の間に、1つの大学内で700件以上ものハラスメントの相談・質問が寄せられていたということが、当時かなりの話題になりました。
ですが、これは早稲田大学だけに限ったことではなく、この後、ほかの大学でも続々とアカハラ対策としての相談窓口が設けられるようになりました。
このアカハラは大学だけでなく、私たちが働く病院でもよく起こっているといえます。学会の論文を上司に校正してもらったところ、大した理由もなく「こんな内容で発表するなんて病院の恥さらしだ」という侮辱とともに、何度も何度も差し戻される……。また、実習生の記録物を執拗に何度も差し戻して、新しい学習に進ませないというのも、もしかするとアカハラにあたるかもしれません。
筆者が新人教員のころ、先輩教員が、学生からの質問の答えがわからないときには「『そもそもそんな質問してもいいと思ってるの?もう1回考えてから来なさい』と言って、その間に調べればいいのよ」と、アドバイスしてくれたことがありました。
わからないことが多かった筆者は、学生と一緒に調べるのが習慣になっていたので、このアドバイスが活きることはありませんでした。しかし、この先輩教員の言葉もまさにアカハラで、教育者にあるまじき恥ずべき発言だったのだと、今も思っています。
(ナース専科2018年6月号より転載)