第1回 看護研究の「問題と目的」を書く(1)
- 公開日: 2009/2/16
看護研究をやらなくっちゃ
臨床で看護研究を行うきっかけは、輪番制で「自分の病棟の順番が回ってきたから」というのがほとんどでしょう。「看護研究が好き」で志願したというのはよっぽど物好きな方なのだと思います(失礼☆)。多くの方が管理者の命令で「やらされている」のが現状のようです。
業務の合間に研究をやらねばならず、気が重くなります。「早くやり過ごそうね~」と始めます。看護師さんは行動が速いです。日頃からそう訓練されているからです。患者さんのために瞬時に判断して体が動くのです。こうした看護師さんの特徴は研究活動にも反映されます。何を調べたいのかをじっくり詰める前に、アンケートなどをつくりはじめてしまうのです(アンケートはてっとりばやいというので好まれます)。そして対象者にばらまき回収します。ここまではものすごく早いです。でもそのあと、ハタと気づきます。「どうやって集計してまとめたらいいだろうね・・・・。」
看護研究は一方通行
看護師さんは看護しながら患者を観察してアセスメントし、その結果でまたよりよい看護を考えていきます。「情報収集→アセスメント→看護計画立案→看護実践→評価(アセスメント)」の看護過程を、1日単位・時間単位、ときには分単位でくるくると展開しているのです。これは看護師のもつすばらしい技術のひとつだと思います。
そして、看護研究も看護過程と似たようなプロセスで展開しているのです。看護研究のプロセスは
1. 現状の分析・研究課題の明確化
2. 研究計画の立案
3. データ収集
4. 分析
5. 結果・考察
です。
何となく看護過程に似ているでしょう?でも、決定的に違うところがあります。