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【連載】看護研究はじめの一歩

第1回 看護研究の「問題と目的」を書く(1)

  • 公開日: 2009/2/16
  • 更新日: 2020/10/22

看護研究をやらなくっちゃ

臨床で看護研究を行うきっかけは、輪番制で「自分の病棟の順番が回ってきたから」というのがほとんどでしょう。 「看護研究が好き」で志願したというのはよっぽど物好きな方なのだと思います(失礼☆)。多くの方が管理者の命令で「やらされている」のが現状のようです。

業務の合間に研究をやらねばならず、気が重くなります。「早くやり過ごそうね~」と始めます。 看護師さんは行動が速いです。日頃からそう訓練されているからです。患者さんのために瞬時に判断して体が動くのです。 こうした看護師さんの特徴は研究活動にも反映されます。何を調べたいのかをじっくり詰める前に、アンケートなどをつくりはじめてしまうのです(アンケートはてっとりばやいというので好まれます)。そして対象者にばらまき回収します。 ここまではものすごく早いです。でもそのあと、ハタと気づきます。 「どうやって集計してまとめたらいいだろうね・・・・。」

看護研究は一方通行

看護師さんは看護しながら患者を観察してアセスメントし,その結果でまたよりよい看護を考えていきます。 「情報収集→アセスメント→看護計画立案→看護実践→評価(アセスメント)」の看護過程を,1日単位・時間単位,ときには分単位でくるくると展開しているのです。 これは看護師のもつすばらしい技術のひとつだと思います。

そして、看護研究も看護過程と似たようなプロセスで展開しているのです。 看護研究のプロセスは
1. 現状の分析・研究課題の明確化
2. 研究計画の立案
3. データ収集
4. 分析
5. 結果・考察 です。

何となく看護過程に似ているでしょう? でも,決定的に違うところがあります。

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看護過程がその時々の患者の状態に応じて臨機応変に方針転換するのに対し,看護研究では方針転換はなく,最初に研究課題(研究方針)を決めたら,それに沿って研究計画立案・データ収集・分析・結果・考察が一方通行に進むのです。 これは研究に「論理一貫性(筋が通っていること)」が求められるからです。 具体例を上げましょう。

看護過程では,「患者さんにシャワーを計画したけれど,血圧が高いので清拭にした」など途中の方針変更は当たり前にありますが,看護研究の場合は,「シャワーの効果をみる」と1回方針を決めたらそれを最後まで通すのです。(万一変更が生じた場合は,その前の段階すべてを修正して変更事項にあわせ,筋の通った内容にする必要があるのです)

「一方通行」をうまくいかせるために「問題と目的」を丹念に書く

なんといっても看護研究の最初の部分である「問題と目的」を丹念に書くことです。 「問題と目的」は「はじめに」や「緒言」,単に「目的」とも言われます。 「問題と目的」は研究課題を練るところです。

その内容は,自分が問題にしていることの「現状分析」と,現状分析から導き出された「研究課題」の2段階からなります。 しかし,この2段階を仕上げるのは,簡単にはいきません。 初心者の方では3か月はかかると覚悟した方がいいでしょう。

なぜなら先にも書きましたが,研究は一度走り始めたら修正は効かないからです。 だからと言ってビクつく必要はありません。 この部分をじっくりと仕上げれば,次に続く「研究方法」は自然に決まり,「データの収集」や「分析」「結果・考察の記述」で方針がブレることは少なくなり,研究はスムーズにいきます。 何事も「はじめが肝心」。「問題と目的」は時間のかけがいのある部分だといっていいでしょう。

自分の力でまず書いてみる

例えばあなたが漠然と「術前患者さんの不安軽減にリラクセーション技法を用いてみて,効果をみてみたい」と考えたとしましょう。 研究の発想としてはとても面白いですね。では,この「発想」を「問題と目的」として練り上げていくことにしましょう。 まずは現状の分析です。はじめに、患者さんのおかれている状況や問題をできるだけ文章で表現していきましょう。研究はすべて文章の世界です。

患者さんの置かれている状況,問題点,なんとかしたいというあなたの思い,これらを第三者に理解し,納得してもらう必要があるのです。 第三者として想定するのは,週刊誌を読んでいる一般の人々です。 一般人々にも分かるように,あなたは記者になったつもりで現状を詳しく書いていきます。

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