【高リン血症】原因・症状・治療ポイント
- 公開日: 2014/8/3
- 更新日: 2021/1/5
高リン血症の原因
血清P濃度が5.0mg/dl以上のとき、高P血症と診断されます。これは、過剰なPを腎臓で排泄できない状態を示します。
原因には、Pの過剰摂取と排泄量の低下があります。Pの排泄は90%以上が腎臓から尿中へと出されるため、腎機能が低下すると排泄量が減少します。
また、一時的にPを過剰摂取しても、腎機能が正常であれば、速やかに排泄され正常値に戻ります。従って、高P血症が起こるのは、腎不全、化学療法などによって多量の細胞が破壊される悪性腫瘍(腫瘍溶解症候群)、横紋筋融解症などの病態に限られています。
高リン血症の原因
高リン血症の症状
高P血症は、それだけでは特異的な症状が出現することはありません。高度な高P血症では、低Ca血症やCa沈着を伴うことがあります。
その場合には、低Ca血症に関連した症状が出現します。テタニー、知覚異常、痙攣発作、胃腸症状のほか、Ca沈着によって心筋梗塞、視力障害、乏尿、不整脈などがみられます。
血清P濃度は血清Ca濃度と反比例の関係にあるので、Pが高ければCaが低値のことがあります。もし低Ca血症を伴っていれば、トルソー微候、クボステック徴候があるので、確認します。
トルソー微候、クボステック微候についてはコチラ
血管の内側や心筋にCaが沈着すると、心筋梗塞など生命に関わる症状が出現する可能性もあるので、低Ca血症を伴っているかどうかを、しっかりアセスメントしてサインをキャッチしましょう。
続いて、高リン血症の治療・ケアのポイントについて解説します。
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