【8】モラルハラスメント(モラハラ)│ハラスメント対処のポイント
- 公開日: 2019/10/12
被害者の立ち位置からの攻撃
「昨日のリーダーに報告すべきだったでしょ。何していたの?」「こういうのって普通、新人から確認するべきでしょ? 私に恥をかかせたいの?」──「~すべき」で始まるこれらの言葉は、モラルハラスメント(モラハラ)といえます。またPart3で解説する「認知のゆがみ」の代表例でもあります。
「~すべき」という言葉は、自分自身に活用しているときにはあまり問題はありませんし、むしろ「~すべき」と「あるべき論」を語る人というのは模範的に映るので、これまたやっかいなところです。自分は正しいことをしていて、できない相手が悪いという思い込みが、冒頭の、まるで被害者のような立ち位置から攻撃してくるパターンの「なんで私にここまで言わせるの?」というような発言につながるのです。
人と人は違います。感じ方も考え方も違って当然なのです。言いたくなければ、黙っていればいいんです。こうした言葉は、自分が言いたいだけなのに、言った責任を言われる相手に転嫁するという無責任なコミュニケーションの典型です。言われたほうは、結構、責任を感じるものです。
このようなときは、「なるほど、そういう感じ方もあるんですかねぇ」と達観し、さらりと受け流してしまいましょう。
(ナース専科2018年6月号より転載)