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【連載】人工呼吸器の基礎知識

第8回 睡眠時無呼吸症候群

  • 公開日: 2009/11/2
  • 更新日: 2020/10/22

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今回は、睡眠時無呼吸症候群 (Sleep Apnea Syndrome)について解説します。

Q:睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気ですか?

A: 睡眠中、何らかの原因により呼吸が停止、もしくは呼吸が浅くなることを繰り返す病気です。

そのためSpO2の低下・回復を繰り返し、また呼吸再開に伴う覚醒反応により睡眠が阻害されます。
睡眠中呼吸が停止する原因別に大きく閉塞型、中枢型と分類されており、睡眠時無呼吸症候群 (Sleep Apnea Syndrome=以下、SAS)の大半は閉塞型です。

現在日本における診断定義は「EDS (Excessive Daytime Sleepiness : 日中過眠)、もしくは閉塞型無呼吸に起因するさまざまな症候のいくつかを伴い、かつAHI (Apnea Hypopnea Index : 睡眠1時間当たりの無呼吸・低呼吸の回数)≧5」とされています。
閉塞型無呼吸は睡眠中上気道が閉塞することによって起こり、その原因としては肥満による上気道軟部組織への脂肪沈着、扁桃肥大、巨舌等の軟部組織の増加、または下顎の後退や小顎などの骨格に起因する場合もあります。

睡眠時上気道モデル

主な診療科は呼吸内科、耳鼻咽喉科、精神神経科、睡眠科、また循環器疾患との関連から循環器内科においても診療されています。

Q:SASにはどのような症状がみられますか?

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A: 主な症状として夜間の呼吸停止や大きないびき、また日中の眠気や記憶力・集中力低下、疲労感、熟眠感の欠如、起床時頭痛などがあげられます。

特にいびきは特徴的な症状です。SAS目的で医療機関を受診した場合、ベッドパートナーから大きないびきを指摘され受診を勧められたケースがほとんどです。
比較的静かないびきはそれほど気にする必要はありませんが、仰臥位になると大きくなる場合、音に強弱がある場合、「カッ」というような開放音を伴う大きないびきは注意が必要です。

Q:合併症にはどのようなものがありますか?

A:心血管系疾患を高率に合併し、これらが予後を決定する重要な因子とされています。

その中でも高血圧はSASとの関連が強く、SASが重症化するほど高血圧を高率に合併するとの報告もあります。
SASが高血圧を引き起こす機序として、呼吸停止による低酸素、呼吸再開時の覚醒反応から交感神経活性が亢進し血圧が上昇、それが慢性的になることにより高血圧になるとされています。また、虚血性心疾患や心不全なども密接な係わり合いを持っています。

OSAが循環に与える影響

その他脳血管障害や、最近では糖尿病やメタボリックシンドロームなど生活習慣病との関係性も注目されています。

Q:SASの診断はどのようにされるのですか?

A: SASの診断に用いられる主な検査には次のものがあります。

○簡易診断検査(スクリーニング検査)

  1. 終夜パルスオキシメトリー:夜間の反復するSpO2低下から無呼吸の存在を推測する方法。
  2. 簡易診断装置:鼻口気流、胸もしくは腹の呼吸運動、いびき、SpO2などの呼吸に関連する項目を同時記録する方法。

○確定診断検査

  1. ポリソムノグラフィー(PSG):脳波、眼球運動、おとがい筋電図による睡眠段階判定ならびに覚醒反応の検出、鼻口気流、胸腹部呼吸運動、SpO2測定による無呼吸・低呼吸などの呼吸イベント検出、合わせて心電図や体位などを記録する方法。 これにより睡眠・呼吸状態を総合的にみることができ、SAS重症度判定やその他の睡眠障害の把握にも用いられています。

PSG波形

電極装着位置

まずスクリーニング検査を行い、SASが疑われる場合にPSG検査を行うというのが一般的な流れです。

Q:SASの治療にはどのようなものがありますか?

A: 中等症以上の閉塞型SASの治療の第一選択として、CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)があげられます。

鼻マスクを介して持続的に陽圧をかけることによって、閉塞をきたす上気道に対し空気の添え木として作用する非侵襲的治療法です。陽圧によって上気道を押し広げることにより閉塞型無呼吸や低呼吸、いびきを改善します。

鼻マスクイメージイラスト

ただCPAP療法は対症療法であるため、CPAP装置の継続的使用が必要となります。 その他の主な治療法としては上気道を外科的に拡大させる手術療法や、主に軽症例に有効とされる口腔内装置などがあります。

Q:睡眠中の呼吸状態はどのように変化しますか?

A: 睡眠はまずノンレム睡眠とレム睡眠に大別され、ノンレム睡眠は大脳を鎮静化する為の睡眠、レム睡眠は活性化させる為の睡眠と言われています。

入眠するとまずノンレム睡眠が出現し、約90分のサイクルでレム睡眠が出現するのが正常の睡眠の特徴です。
ノンレム睡眠中は、正常の場合入眠時に周期性呼吸が生理的に出現するとされていますが、安定期は非常に規則的になります。ただし上気道抵抗の増加などにより覚醒時に比して換気量は減少します。

それに対してレム睡眠中は一回換気量・呼吸頻度ともに不規則化します。
更にレム睡眠期は筋緊張が著しく低下する為、上気道開大筋の活動も低下し、上気道が非常に閉塞しやすい期間でもあります。
その為SAS患者ではレム睡眠期において無呼吸の持続時間が延長し、SpO2低下が著しくなる例が多く見られます。

次回は遅発性術後低酸素血症について解説いたします。

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