[医療提供体制] 診療所医師の約半数が60歳以上、病院は約15% 厚労省集計
- 公開日: 2022/3/6
2018年時点で診療所に従事する医師の約半数、病院では約15%が60歳以上だったとする集計結果を厚生労働省が明らかにした。医師の平均年齢は診療所が60.0歳、病院は44.8歳で、診療を行う側も高齢化が進んでいることが分かった。
集計結果によると、18年の病院の医師数は20万8,127人で、20年前よりも約5.5万人増加。診療所の医師数は約2万人増の10万3,836人だった。
ただ、高齢化が着実に進展しており、施設ごとの60歳以上の医師の割合は、18年時点で診療所が50%程度で、20年前と比べて約3ポイント上昇。病院は約15%で、約6ポイントも上昇した。
厚労省は、今後の人口動態や医療需要の変化も予測した。15-25年に多くの2次医療圏で65歳以上の人口が増える一方、15歳以上65歳未満の生産年齢人口が減少。25-40年は、65歳以上の人口が132の2次医療圏で増加するが、197の医療圏では減少し、生産年齢人口は多くの医療圏で急減する見込み。
全国の入院患者数は、40年に増加のピークを迎え、その時点で約8割が65歳以上の患者となる。2次医療圏ごとに見ると、既に20年までに90の医療圏が増加のピークを迎え、261医療圏で35年までにピークを迎えると予測。
一方、外来の患者数は25年に増加のピークを迎え、40年にはその約6割が65歳以上となる。2次医療圏別では、既に20年までに217の医療圏で外来患者の増加のピークを迎えたとみている。また、在宅患者については、30年まで増加し、40年以降に203の医療圏で増加のピークを迎える見通し。
25年から40年にかけて65歳以上が増える132医療圏では、急性期の医療需要が引き続き増加するが、がんや虚血性心疾患、脳梗塞については入院患者数の増加ほどはそれらの治療件数が伸びない。
一方、同じ期間に65歳以上が減る197医療圏では、がんや虚血性心疾患の入院患者が減少し、脳梗塞に関しては入院患者の増加ほどは治療件数が伸びないと予測している。
これらの集計結果は、厚労省が2日の「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」に示したもので、都道府県が策定する第8次医療計画や地域医療構想に関する検討などで参考にしてもらう狙いがある。
(厚生政策情報センター)
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