[介護] LIFE活用、アセスメントに平均14.6時間 21年9月分データ提出
- 公開日: 2022/3/11
厚生労働省は7日、2021年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の結果を、社会保障審議会・介護給付費分科会の介護報酬改定検証・研究委員会に示し、了承された。
調査項目は、▽介護医療院におけるサービス提供実態等▽LIFEを活用した取組状況の把握および訪問系サービス・居宅介護支援事業所におけるLIFEの利用可能性の検証▽文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減▽福祉用具貸与価格の適正化-の4つ。
21年度改定でスタートしたLIFEについては、介護保険データベースで6月の請求実績がある事業所を母集団とし、LIFE登録済み事業所でLIFE関連加算の算定がある事業所(回収数2,170)と、LIFE未登録事業所で算定がない事業所(回収数1,128)を対象に、アンケート調査とヒアリング調査を実施。
LIFEデータの登録状況などについて、60人以上の利用者を登録している事業所・施設は27.0%で、10人未満は17.3%だった。定員数に対するデータ登録者割合では100%との回答が62.1%で最も高かった。LIFE活用に関わる平均時間は、21年9月分データ提出でアセスメントが14.6時間、記録ソフトへのデータ入力が12.5時間、LIFEへのインポート機能の利用が1.3時間、LIFE上での直接入力が4.6時間だった。
LIFEを活用することで役に立った点では(複数回答)、「LIFEに利用者のデータを入力し管理することで、利用者の状態や課題を把握しやすくなった」が34.8%で最も多かった。
LIFE活用に伴う議論の実施状況では、「既存の委員会で議論した」が18.6%、「委員会等の組織体以外で議論した」が16.9%などで、「実施していない」は60.4%だった。LIFE活用に伴う多職種連携の実施状況は「行った」が22.5%、「行っていない」が77.5%。また、LIFE導入前後において利用者アセスメントに変化が「あった」と回答したのは50.1%だった。
一方、LIFE未登録事業所における今後のLIFE活用意向は、「活用したい(アカウント申請済み)」が43.7%、「活用したい(アカウント申請予定)」が23.8%だった。「活用したいと思わない」(32.5%)理由については、「データを入力する職員の負担が大きい」が63.8%で最多。
調査研究事業では、24年度介護報酬改定に向けて、訪問系サービスおよび居宅介護支援事業所におけるLIFEを活用した介護の質の向上に資するようなPDCAサイクルの推進について、訪問介護事業所10カ所、訪問看護事業所9カ所、居宅介護支援事業所10カ所でモデル事業を実施。具体的なユースケースなどの検討やLIFE導入における課題などについて検証した。
訪問介護事業所におけるモデル事業の調査では、利用者へのアセスメントに手間がかかるとの回答が8件あり、フィードバック票により3件がケアの見直しを行った。見直しをしなかった理由では、「フィードバック票の見方が分からなかったから」が3件、「見直す必要性は感じたが、どのように見直したら良いか分からなかったから」が2件あった。
訪問看護事業所も、アセスメントに手間がかかるとの回答が7件あった。また、フィードバック票によるケアの見直しをした事業所はなく、見直しをしなかった理由では、「ケアを見直す必要性を感じなかったから」が5件あった。
モデル事業を通じたヒアリングでは、訪問系サービスではデータ入力の利便性からモバイル端末でのLIFE対応を望む声などがあった。
(厚生政策情報センター)
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