大切な人を亡くす子どもへのケア
記事数:18
"連載「大切な人を亡くす子どもへのケア」の記事一覧です"
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前編に続き、これまでの内容を踏まえ、あらためて看護師が期待される役割について考えていきます。 [3]環境をつくること──患者さんと子どもの距離を縮める (1)来院しやすい環境づくり 病院といえば、大人だけでなく子どもも、「怖い」「痛い」などといったマイナスのイメ
これまで、医師やソーシャルワーカーなど、医療の場で「大切な人を亡くす子ども」にかかわるさまざまな職種の人に、その役割について、事例を交えて説明していただきました。 どの職種からも一様に、「いつも患者さんの側にいて、子どもに接する機会の多い、看護師との協働がとても重要」と
子どもの感情を表出させるためには、「遊び」は大切な要素です。CLSは、子どもの様子や状況を見ながら「遊び」を提案し、子どもの感情が表出できる環境を整えていきます。もう一つの事例を見てみましょう。 「遊び」の中で子どもは感情を表し、消化していく 子どもにとって「遊び
病気の子どもたちが治療や入院によって受けるストレスを軽減し、子どもらしい生活が送れるようサポートする専門職種がチャイルドライフスペシャリスト(CLS)です。 日本の医療施設では主に小児科などで、病気の子どもの精神的ケアを行ってきたCLSは、近年ではその専門スキルを生かし
心理療法士が親を亡くす子どもにどうアプローチし、かかわっていくか。後編では、前回の事例で紹介した、がん末期の母親の看取りの場面でのかかわりと、もう一つの事例を紹介します。 子どもの生活感覚を尊重し看取りの時期を過ごす (前回からの事例の続き) 身体的状況が切羽詰
心理療法士は、子どもを含めたさまざまな心の反応に関する知識と心理的アプローチの技術を身に付けた心の専門家です。 病気の親をもつ子どもに対しては、まずは主治医や看護師からの依頼を受けて、子どもの理解の仕方やかかわり方をスタッフにアドバイスするほか、状況に応じてカンファレン
前回に続き、終末期を迎えた母親と子どもたちとのかかわりの事例から、堂園メディカルハウスの副院長であり、MSW(メディカルソーシャルワーカー)である堂園文子さんが、社会的・心理的支援を行うMSWの役割についてまとめます。 事例――最期のときに向けて、子どもたちに伝える
鹿児島市にある堂園メディカルハウスは、総合診療科をもち、ホスピスケアを充実させた有床診療所です。外来通院、入院、在宅ホスピスなど、患者さんだけでなく家族を含めたその時々の状況に最も適したかたちで緩和ケアを提供しています。 その中でも特に、親を亡くす子どものケアに積極的に
在宅ホスピスの医師として、患者さんを看取る子どもを含めた家族にかかわってきた川越厚さんが「客観的情報を医師が伝える」ほうがよいと考えるに至った、もう一つのエピソードを紹介します。 子どもに客観的情報を伝えた方がよいと思うわけ 親の病気について、一般の人が子どもに説
今回は、在宅ホスピスの医師として、患者さんを看取る子どもを含めた家族にかかわってきた、川越厚さんに「客観的情報を伝える」という医師の役割について、子どもへのケアが整いやすい在宅ホスピスの例をもとに紹介してもらいます。 子どものショックをフォローできることが条件 在
病気に対する親の不安が、子どもの体に現れる場合も 前編で述べてきたように、親ががんになった場合、感情面、行動面での変化が子どもには多く見られます。特に、親が強い不安をもつ場合は、子どもに与える影響も大きく、子どもも強い不安を抱くようになるといわれています。泣いたり、怒る
子どもは、親の病気やそれに伴う生活の変化に巻き込まれたとき、子どもなりに「これまでと違うこと」を察知します。子どもに過大な不安を抱かせないためには、親の病気を伝えていくことが必要となるでしょう。それと同時に、子どもが親の病気についてどう感じているか、子どもの心の変化を把握
がんと診断された患者さんが子どもにその事実を伝えるとき、どのような情報をどのように伝えればよいのでしょうか。子どもに病気であることを話すときのポイントを紹介します。 がんを伝えるときポイントとなる3つのC 親にがんと告げられたとき、子どもが混乱する大きな原因の一つ
がんなどの死に至る深刻な病気を発症した場合、その事実を子どもに伝えるべきか、あるいは伝えないでいるべきかは、重大な問題の一つです。迷いをもつ患者さんが、医師や看護師などの医療者にアドバイスを求めることも少なくありません。子どもに親の病気を伝えるときには、何に配慮し、どのよ
前編に続き、年齢による親の病気や死の捉え方の違いについて考えていきます。特にかかわりが難しいという声を聞く思春期の子どもたちについて、彼らにはどのように接していくのが望ましいのでしょうか。 思春期の子どもにはかかわりにくい? 子どもというと、どうしても小さな子ども