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【連載】大切な人を亡くす子どもへのケア

第6回 パパやママの病気を 子どもに知らせる方法(後編)

  • 公開日: 2011/8/23
  • 更新日: 2020/3/26

がんと診断された患者さんが子どもにその事実を伝えるとき、どのような情報をどのように伝えればよいのでしょうか。子どもに病気であることを話すときのポイントを紹介します。


がんを伝えるときポイントとなる3つのC

親にがんと告げられたとき、子どもが混乱する大きな原因の一つに、がんとはどのような病気なのかがわからないということがあります。がんとは何か、子どもの年齢や理解力に応じた説明が必要です。

例えば、「がんができた細胞は故障しているため、体のその部分が正常に働かなくなること」「がんは時間をかけて成長し、ほかの体の部分にも広がることがあること」「手術で取り除いたり、薬を使って治療をする必要があること」を説明します。

曖昧な表現をすると、子どもは独自の考えで理解してしまい、事実以上に不安や混乱をきたすことになります。そこで、きつく感じられるかもしれませんが、はっきりと「がん」という言葉を使って、どのような病気であるのか、がんの種類(乳がんやリンパ腫など)、体のどの部分にがんがあるのか、どんな治療を行うのか、生活にはどのような影響があるのかなどを伝えます。

このとき、特に10歳以下の子どもにとって気がかりとなるのが、この病気はうつるのか、自分が原因でがんになったのでは、ということです。正しく伝えるためには、「Cancer(がん)」「not Catchy(感染しない)」「not Caused(誰かによって引き起こされたものではない)」という、「3つのC」を念頭に置いて説明するとよいとされています。例えば、「お母さんは、がんになってしまったの。でも、それは誰のせいでもないのよ。それに、この病気は風邪とは違ってうつらないから、側にきてもいいのよ」などと話します。
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「必ず治る」などと嘘をはらむ約束はしない

また、思春期の子どもの中には、「がん=死」とイメージする子どももいます。一口にがんといっても、さまざまな病態があることを知らせます。子どもから「死んじゃうの?」という問いかけがあるかもしれません。そのときは、「そうならないように、一番よい治療方法を選んでいるの。がんが治ることを期待して、頑張るつもり」などと話して安心させるとよいでしょう。

ただし、注意したいのは「必ず治る」など確実性のない話はしないことです。希望を伝えることはとても大事ですが、万一亡くなってしまった場合、子どもにとっては、「お父さんの話は嘘だった」ということになってしまうからです。事実とそれに基づいた希望だけを伝えるようにしましょう。

生活の変化など子どもの関心事についても明確に

「うまく説明できない」と話す患者さんや家族に対しては、医師や看護師などがアドバイスしたり、直接子どもに説明してもよいでしょう。その際にはあらかじめ、その子ががんについてどのような認識をもっているかを聞いておくと、間違った情報を訂正しやすくなります。

治療計画に関しても、きちんと子どもに伝える必要があります。入院でも通院でも、治療は家族の生活に大きな変化をもたらすからです。幼児から学童期の子どもにとっては、親に代わって誰が自分たちの世話をしてくれるのかということも、大きな関心事になります。「野球の練習へは、お父さんが送迎してくれる」「おばあちゃんが作ってくれたご飯を食べて、学校にも行けて、いつもと同じように生活できる」など、誰が何のサポートをしてくれるのかを、明確にしておきます。

脱毛も病気のせい? 誤解が不安を生まないように

化学療法や放射線療法などによる副作用、手術によるボディイメージの変容など、治療によってもたらされる体への変化は、時に子どもを大きく動揺・混乱させることになります。しかも、それが病気によって引き起こされたと考えることもあります。副作用による倦怠感で横になっている親を見て、子どもは病気が悪化したと思ってしまうのです。治療が開始されたら、あらかじめ副作用について、どのような症状が予想されるかを話しておきます。

もし、髪の毛が抜けたことに子どもが動揺したら、「これは病気のせいではないのよ。がんをやっつけるための治療の一つなの。治療が終われば、髪の毛はまた生えてくるわ」と、きちんと伝えることが子どもの不安の軽減につながります。

なお、治療方法が変わったり、薬剤が変わったり、体調に変化が生じたりなど、何かしらの変更・変化があった場合にも、その情報をその都度子どもにも伝えていきます。

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