第2回 なぜ必要? 感染対策を行う2つの理由【後編】
- 公開日: 2015/11/13
前編では、安全な医療を提供するための1番の基本であり、医療法でも義務づけられている、という話をしました。
後編では、2つ目の理由について解説します。
理由2 患者さんと自分を守るために欠かせないものだからです
感染対策は病院で働く一人ひとりが行うことに意味がある
前編で述べたように組織として必要と考えると、制度として取り入れればよいもので、個人が行うものではないような感じを受けるかもしれません。しかし、感染対策というのは、病院で働く全ての人、一人ひとりが行うことに意味があるのです。この中に看護師をはじめとして医療施設で働く全ての人が含まれています。
病院の中にはさまざまな病気の人がいます。自分が保有している細菌やウイルスで病気を発症する可能性もあるし、ひょっとしたら、インフルエンザや耐性菌などによる院内感染で病気になることもあるかもしれません。そういったゼロではない可能性を考えると、患者さんを守るのはもちろんですが、その患者さんと接する機会の多い看護師自身も守ることが大変重要になってくるのです。
できない理由を考慮しつつ、具体的なやり方を伝えていく
感染対策というと、手指衛生などの標準予防策が基本となります。100%行うことが理想なのですが、なかなか難しいのが現状です。実施できない理由として「忙しい」「行う理由が理解されていない」ことが理由として多いと感じていましたが、最近では「やらなければと思っているけど、忙しくてできていない」というような状況に変化してきています。ですから、感染対策の実践をより徹底していくためには、病院としてさまざまな方略を駆使していかに対応していくかが重要です。