気管切開の適応になるのはどんなとき?
- 公開日: 2016/6/22
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気管切開とは? 気管切開の看護
気管切開の適応は大きく3つ
気管切開の処置は老若男女問わず、救急室や集中治療室などの超急性期から、在宅介護や療養施設などの慢性期まで幅広くみられます。そのため、日常的に遭遇する機会も多いと思います。
気管切開の適応は、
1.長期人工呼吸管理が必要な場合
2.気道分泌物が多い場合
3.上気道の閉塞
の、おおよそ3つに大別されます(図)。詳細な病態は下記に示しますが、原則原理はこの3つを理解できれば十分です。
図 気管切開の適応
1.長期人工呼吸管理が必要な場合
脳卒中などの中枢神経障害や難病の神経変性疾患以外に、どうしても抜管できないくらい呼吸状態が悪い状態があてはまります。
2.気道分泌物の除去目的
簡単にいえば分泌が非常に多い基礎疾患があるか、そもそも自力で痰を出せない状態といえます。
3.上気道の閉塞
これに関しては、イメージがつきやすいと思いますが、口や鼻から喉頭・声帯に何らかの異物や腫瘍、構造的な異常があり、空気の通過障害がある場合のことをいいます。ちなみに、声帯の動きを支配している反回神経に片方だけ障害があると嗄声(ガラガラ声)になることはよく知られていますが、両側に麻痺を生じると声帯が開かずに窒息してしまいます。
どのような病態で気管切開が必要になるのか、3つの症例を使って考えてみましょう。