第21回 部位別のエンゼルメイク(3)気道切開部やペースメーカー
- 公開日: 2016/7/30
臨終を迎えた患者さんの人格や尊厳が失われないよう、ご遺体がみなさんの手を離れるまでケアを行なう「エンゼルケア(逝去時ケア)」。本連載ではそのエンゼルケアの実践法を解説します。
今回は「気管切開部」と「ペースメーカー」の対応についてです。気管は、胃腸とともに腐敗が進む肺と直結している部分であり、切開部から異臭がもれる可能性があるためしっかり密閉します。また、目にふれやすい場所であることを意識してカバーします。
▼エンゼルケアについて、まとめて読むならコチラ
エンゼルケア(逝去時ケア)とは?目的・手順など
気管切開部への対応のポイント
・気切部の皮膚とともに気管も刻々と脆弱になっており、いたみやすい部分です。痰など分泌物の吸引は、粘膜を傷つけないように配慮して行います。
・生命と直結するイメージである「呼吸」に関わっている部分の器具を外すときなどは、ご家族にはとくにていねいな言葉かけをします。
・衣類の準備の際に、気管切開部がカバーできるようなスタンドカラーやワイシャツ、スカーフなどの提案を事前に看護計画に入れておきます。
気管切開部の対応手順
1)気切部をカバーしていたガーゼを外す:お過ごし(お別れ)の時間の直前に、気管切開部のチューブを外した上に乾燥防止として覆ったガーゼを外します。ご家族へは、「のどの部分をきれいにしてテープなどで閉じたいと思います」などと伝えましょう。
カテゴリの新着記事
第23回 部位別のエンゼルメイク(5)尿道、肛門などのデリケートな部位(6)リンパ
臨終を迎えた患者さんの人格や尊厳が失われないよう、ご遺体がみなさんの手を離れるまでケアを行なう「エンゼルケア(逝去時ケア)」。本連載ではそのエンゼルケアの実践法を解説します。 今回は「尿道口・膣口・肛門」と「リンパ漏れ」の対応について解説します。 尿道口への対
-
-
- 第22回 部位別のエンゼルメイク(4)皮膚に赤黒さや黄疸などがある場合
-
-
-
- 第20回 部位別のエンゼルメイク(2)外傷・腫瘍・褥瘡・熱傷がある場合
-
-
-
- 第19回 部位別のエンゼルメイク(1)点滴やカテーテルなど医療器材の取り外し
-
-
-
- 第18回 エンゼルメイク実践編 (7)「リップカラー・ ネイルカラー」と 「顔のエンゼルメイク用、物品の管理方法」
-