【フライの倫理原則】看護倫理を考える5つのチェックポイント
- 公開日: 2016/10/26
5つのポイントをチェックしよう
ジレンマの原因がどこにあるのか、それらが倫理的にどのような問題を含んでいるかを見極めるためには、それぞれの行為が倫理的に正しいかどうかを点検してみる必要があります。その方法にはいろいろありますが、この連載では、フライの倫理原則に基づきチェックする方法を紹介します。以下の5つのポイントを確認することで、解決策を考える手がかりが得られます。
フライの倫理原則(5つのポイント)をもとに実際の事例をみてみましょう。
▼「【連載】ケースで考えよう!看護倫理レッスン」はこちら
check point1 あなたの看護行為は、患者さんの害になっていませんか?
あなたの看護行為は、患者さんの害を避け、きちんと患者さんの利益につながっているでしょうか。この項目はフライの倫理原則にある「善行の原則」に相当します。
check point2 あなたは看護師としてきちんと役割を果たしていますか?
看護師としてあなたは自分の役割や任務に忠実に行動しているでしょうか。守秘義務は守れているでしょうか。この項目はフライの倫理原則にある「忠誠の原則」に相当します。
check point3 患者さんに情報は正しく伝わっていますか?
患者さんに体の状態や治療・ケアの内容について、正しい情報が十分に提供できているでしょうか。この項目はフライの倫理原則にある「誠実の原則」に相当します。
check point4 患者さんは自分のことを自分で決められますか?
患者さんには自分の行動を決定する自由があります。そのためには正しい情報提供を行わなければなりません。この項目はフライの倫理原則にある「自律の原則」に相当します。
check point5 あなたはどの患者さんに対しても、公平で平等でいますか?
看護師は、常にすべての患者さんに公平で平等に接することが求められています。これはフライの倫理原則の「正義の原則」に相当します。
フライの倫理原則(5つのポイント)をもとに実際の事例をみてみましょう。
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(ナース専科2008年12月号より転載)
【参考文献】
サラT. フライ著、片田範子 他訳:看護実践の倫理――倫理的意思決定のためのガイド、日本看護協会出版会、1998.