【看護倫理・事例】第17回<問題編>妊婦の不安から逃げてしまったケース
- 公開日: 2014/12/16
日々の看護のなかに意外に多く潜んでいる倫理的問題。それらの解決のためには、まず、倫理的な違和感に気づくセンスが大切です。
今回は、胎児の障害のリスクのある妊婦さんの不安から逃げてしまったケースをもとに、センスを磨く練習をしてみましょう。
今回の患者さん
- 中山朋子さん(仮名)
- 20歳代
- 女性
- 子宮腺筋症合併妊娠
中山さんは、過去に流産・死産の経験をもつ妊婦さんです。
今回も妊娠18週目で、妊娠継続のために子宮頸管の手術が必要となり、入院・手術となりました。
入院時には、エコーでは胎児に奇形の徴候は認められず、中山さんも「どんなことがあっても妊娠を継続し、障害が残る可能性の高い週数であっても出産をしたい」と話していました。
ところが、手術2週間後(妊娠20週1日)に自然破水してから、中山さんの不安は増強しています。
胎児の心拍聴取を拒否し、「子の障害や将来を考えると、妊娠の継続を迷っている」との発言もみられました。
さらに「障害がある子どもを育てていく自信はないし、障害を負わせたことを責めながら生きるのは、私もつらい」と話すようになりました。
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