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【連載】公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業 分析テーマ

個別テーマについての検討状況|第9回報告書(2007年1月〜3月)③

  • 公開日: 2010/1/2

【3】医療処置に関連した医療事故

 平成16年10月1日から平成19年3月31日の間に報告された医療事故事例のうち「事故の概要」のコードの中から「ドレーン・チューブ」のコードで選択されていた事例、及びそれ以外のコードの中から、その報告内容がドレーンの挿入・留置および管理に関する事例は38件であった。

 本報告書では、ドレーンの挿入・留置及び管理を「患部にドレーン(誘導管)を置き、患部に貯留する滲出液や血液、及び空気を持続的に誘導させる行為に伴うもの」とし、分析を行った。
 

 

(1)ドレーンの挿入・留置及び管理に関連した医療事故の現状

 医療事故事例の概要を図表Ⅲ-16に示す。
 
図表Ⅲ-16ドレーンの挿入・留置及び管理に関連した医療事故の事例概要

図表Ⅲ-16ドレーンの挿入・留置及び管理に関連した医療事故の事例概要

図表Ⅲ-16ドレーンの挿入・留置及び管理に関連した医療事故の事例概要

図表Ⅲ-16ドレーンの挿入・留置及び管理に関連した医療事故の事例概要
 
 また、ドレーンの挿入・留置および管理を行う際の業務の段階を、「挿入・留置時の操作」、「観察・管理」、「抜去時の操作」に分類し、事故の内容と併せて医療事故の発生状況を整理した(図表Ⅲ-17)。なお本報告書では、低圧持続吸引器をⅰ.吸引圧を注水量や電子的に設定するものⅱ.除圧バッグなどでほぼ一定の陰圧で吸引するものとする。
 
図表Ⅲ-17ドレーンの挿入・留置に関連した医療事故事例の発生状況
 
① 挿入・留置時の操作
 挿入・留置時の操作段階における事例は24件であった。そのうち、ドレーン挿入時の臓器や血管などの損傷が18件であり、誤った部位への挿入(左右間違いを含む)が4件であった。

 改善策の一例として「超音波エコーを使用をしながらドレーンの挿入を行う」などの取り組みの検討をしている医療機関もある。

② 観察・管理
 観察・管理段階における事例は11件であった。そのうち、ドレーンに関する事例は9例、低圧持続吸引器に関する事例が2件であった。

③ 抜去時の操作
 抜去時の操作における事例は3件であった。
 

(2)ドレーンの挿入・留置及び管理に関連したヒヤリ・ハットの現状

 第21回及び第22回ヒヤリ・ハット事例収集において報告された217件について医療事故と同様に、ドレーンの挿入・留置および管理を行う際の業務の段階を「挿入・留置時の操作」、「観察・管理」、「抜去時の操作」に分類し、ヒヤリ・ハット事例の発生状況を整理した(図表Ⅲ-18)。
 
図表Ⅲ-18ドレーンの挿入、留置に関連したヒヤリ・ハット事例の発生状況
 
 また報告された事例の中から主な記述情報25件を図表Ⅲ-19に示す。
 
図表Ⅲ-19ヒヤリ・ハット事例 記述情報(ドレーンの挿入・管理)

図表Ⅲ-19ヒヤリ・ハット事例 記述情報(ドレーンの挿入・管理)

図表Ⅲ-19ヒヤリ・ハット事例 記述情報(ドレーンの挿入・管理)

図表Ⅲ-19ヒヤリ・ハット事例 記述情報(ドレーンの挿入・管理)

図表Ⅲ-19ヒヤリ・ハット事例 記述情報(ドレーンの挿入・管理)

図表Ⅲ-19ヒヤリ・ハット事例 記述情報(ドレーンの挿入・管理)

図表Ⅲ-19ヒヤリ・ハット事例 記述情報(ドレーンの挿入・管理)


参照:第9回報告書(PDF形式)医療処置に関連した医療事故
情報提供:公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部


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