中堅ナーシングカフェ ──私たちの「成長スイッチ」を探す!──
- 公開日: 2019/12/1
基本的な看護技術や知識を身につけ、リーダー業務や若手指導など、組織のなかでの新たな役割を担う中堅世代。より質の高い看護の展開を目指す一方で、自身のキャリアにおいて次のステップにどう進んでいったらよいか悩む時期でもあります。
今回は、急性期領域に勤務するジェネラリストの中堅看護師4人に、これまでの経験やこれからのキャリアについて、それぞれの本音を語ってもらい、成長のヒントを探していきます。
浅香 看護師のキャリアには簡単に言うと、新人から中堅、そしてベテランという過程があります。特に私自身の中堅時代を振り返ってみると、このころの経験がその後のキャリアアップに活かされているように感じます。
中堅時代には、自分を成長させるための何らかのスイッチが入るのではないでしょうか。でもそれは、自分だけではなかなか気づけないかもしれません。そんな“成長スイッチ”を中堅看護師4名と、ベテラン看護師の師長と一緒に、これまでの看護を振り返りながら、探っていきたいと思っています。
看護師は同じ職種の多様性を認めるのが難しい
浅香 まずは、これまで印象に残っている、転機になった経験を振り返ってみましょうか。
松本 3年目のときにプリセプターをやったことですね。プリセプターを任されるまでは、指導や教育にあまり興味がなくて、それほど後輩のことを見ていなかったんです。いざやってみると、自分の思い通りにならない。それが一番つらかったですね。でも、そもそも思い通りにしようと思ったこと自体が間違っていたことに気づきました。その後、アソシエイト看護師になり、私と同じようにプリセプター業務に悩んでいる後輩に対して、その経験を話すことができたとき、変化した自分に気づき成長できたと実感しました。
鈴木 私も松本さんと同期で、3年目にプリセプターを経験しました。指導したことを新人ができないのは自分のせいだと思い、それが負担になってつらかったですね。でも4年目に学生指導したときに気づいたんです。それまでは教える相手を“1年目”、“学生”というくくりで考えていたんですが、人によって全く異なっていて、個別性があるんだと、後輩から学生へと対象が変わったことで、その人個人を見られるようになりました。
浅香 2人の話を聞いていると、看護師は患者さんの多様性は認めることができるのに、同じ職種の人の多様性を認めるのは難しいようですね。自分たちのことはよくわかっているはずなのに……。
全員 そうですね(笑)。
松本 それってなぜなのでしょう。そういう気持ちがあるからつらくなるんだと思います。