【連載】排尿自立指導料が取れる! 算定基準を満たすためのチームのつくり方・動き方
排泄ケアチームづくりに必要な条件と求められる役割
- 公開日: 2019/11/9
排尿自立指導料ってなに?
2016(平成28)年度の診療報酬改定時に排尿自立指導料の告知(表1)が掲載され1)、「排尿自立指導料」が新規に保険収載されました。
表1:排尿自立指導料の実施の告知
排尿自立指導の目的は、尿道留置カテーテルを早期に抜去し、尿路感染を防ぐとともに排尿の自立を促すことです。この指導料が質の高い排尿看護の実践を後押しする、つまり、対象患者だけでなく、多くの臥床患者のADLの拡大と早期退院が促されて、人としての尊厳を守る排泄ケアの実践が支えられることが期待されます。
実施する内容は、「当該保険医療機関に、排尿に関するケアに係る専門的知識を有した多職種からなるチーム(排尿ケアチーム)を設置」し、患者の診療を担当する医師、看護師等が、排尿ケアチームと連携して、「当該患者の排尿自立の可能性及び下部尿路機能を評価し、排尿誘導等の保存療法、リハビリテーション、薬物療法等を組み合わせるなど、下部尿路機能の回復のための包括的ケアを実施する」こと2)です(図1)。
図1:算定の流れ
上記の排尿自立指導料算定申請の要件となる施設基準として、保険医療機関内に医師、看護師、理学療法士からなる排尿ケアチームを設置することが必要です3)。あわせて、当該指導料の施設基準(表2)にかかわる届出を申請することで算定が可能になります4)。
表2:排尿自立指導料の施設基準
排尿ケアチームを構成する看護師は、下部尿路機能障害を有する患者の看護に従事した経験を3年以上有し、所定の研修(表3)を修了した専任の常勤看護師とされ、認定看護師や学会主催の研修会の修了者です5)。
表3:医師や看護師の研修
排尿自立指導料の該当患者の要件は、①尿道カテーテル抜去後に、尿失禁、尿閉等の下部尿路機能障害の症状を有するもの、②尿道カテーテル留置中の患者であって、尿道カテーテル抜去後に下部尿路機能障害を生ずると見込まれるもの、です。
病棟から該当患者を選定して排尿ケアチームに相談し、包括的排尿ケアを実施することで、1週間に1回、200点の診療報酬が算定できます。