[医療提供体制] iPS細胞など世界最先端医療研究に1,034億円 文科省
- 公開日: 2019/9/5
文部科学省はこのほど、2020年度予算の概算要求の概要を公表した。
一般会計の要求額は総額で5兆9,688億6,900万円(前年度比6,485億4,900万円増)。
iPS細胞を含む世界最先端医療の実現を目指す「健康・医療分野の研究開発の推進」については、前年度比180億5,800万円増の1,034億3,000万円を計上した。
健康・医療分野の研究開発に関しては、iPS細胞などによる世界最先端の医療の実現や、がん、精神・神経疾患、感染症などの疾患の克服に向けた取り組みの推進、臨床応用・治験や産業応用へつなげる取り組みを実施する。
臨床研究・治験の分野では、アカデミアなどの優れた基礎研究の成果を臨床研究・実用化へ効率的に橋渡しできる体制を国全体で構築する「橋渡し研究戦略的推進プログラム」に、前年度よりも9億9,700万円多い59億7,900万円を計上し、シーズ研究費を拡充。
より多くの革新的な医薬品・医療機器などの持続的な創出につなげる。
疾患領域ごとの取り組みでは、「新興・再興感染症研究基盤創生事業」の要求額が44億3,800万円で、前年度から13億5,600万円増えた。
感染症流行地の拠点における研究の推進や長崎大BSL4施設を中核とした研究基盤の整備によって、国内外の感染症研究基盤を強化する。
また、感染症の予防・診断・治療に貢献する基礎的研究を推進する。
がんの画期的な治療法や診断法の実用化に向けた研究の推進を目的とした、「次世代がん医療創生研究事業」は前年度比6億9,500万円増の43億4,600万円、精神・神経疾患の克服に向けた「脳科学研究戦略推進プログラム・革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト」は8億4,300万円増の75億500万円をそれぞれ計上した。
人材育成では、「保健医療分野におけるAI研究開発加速に向けた人材養成産学協働プロジェクト」に新たに14億4,000万円計上した。
医療機関や民間企業・団体などの協力を得ながら、保健医療分野における人工知能技術開発を推進する医療人材を養成する。
(厚生政策情報センター)
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