第9回【環境管理編】環境整備のとき、消毒薬使用は必須?
- 公開日: 2015/11/20
多剤耐性菌や感染性胃腸炎などに罹患している患者さんとそうでない患者さんの病室の環境整備を行う際、どのような区別をしていますか?消毒薬を使い分けたりする必要があるのかどうか迷ったことはありませんか?
今回は、そんな病室の環境整備を行う際の消毒薬の使い分けについて解説していきます。
Q. 環境整備のときに、消毒薬も取り入れたほうがよいですか?
※A. YES
薬剤耐性菌対策では消毒薬の使用も推奨されます
※高度な汚染がないかぎりは基本的に必要はない
不十分な清掃による塵埃の飛散や汚染の定着がなければ、床や壁などの環境が感染伝播に関係することはごくまれであるといえます。そのため、血液・体液などの感染性物質の飛散・付着による高度の汚染が認められない限り消毒薬を使用する必要は基本的にはありません。つまり、環境に付着した汚れは直ちに除去し、定期的な清掃を行うことが基本といえます。
日常的に感染予防対策として消毒薬を使用することは、薬剤の希釈・調整等業務上の煩雑さや、消毒薬の実施者への曝露など実務上の問題が生じる恐れがありますので推奨されません。
※薬剤耐性菌伝播防止やアウトブレイク時には、高頻度接触面に使用する
しかし、薬剤耐性菌伝播防止やアウトブレイク時には、環境を介した伝播防止にも注意が必要です。通常の清掃により埃を十分に除去することが基本ですが、ドアノブ、ベッド柵など手が触れる環境表面は低レベル消毒薬やアルコールなどで日常的に(1日数回)清拭することが推奨されます。
図 環境整備における注意点
※続いては、多剤耐性菌や感染性胃腸炎などの疑いがある場合の環境整備について考えます。
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