呼吸器の構造と役割
- 公開日: 2014/3/9
まず、呼吸ケアの基本中の基本である、呼吸とガス交換のメカニズムをおさらいしましょう。呼吸がどのようなもので、それによって体の中でどのようなことが起こっているのかを、ここでしっかり理解しておけば、血液ガスデータの意味や病態生理を正しく把握することができます。
気管・気管支
呼吸とは、体内のあらゆる臓器に酸素を行き渡らせ、その酸素をもとに行われた生命活動によって必要なエネルギーを得て、産出された二酸化炭素を体外に排出すること。そして、この呼吸を司っているのが呼吸器です。呼吸器の構造を空気の通り道で見てみると、鼻と口を出発点に、咽頭、喉頭、気管、気管支へと続きます。
気管支は左右に分岐し、それぞれ左肺と右肺に入り、葉気管支から細気管支へ、細気管支は終末細気管支へと枝のように分かれ、どんどんと細くなっていきます。
通常、鼻腔から喉頭または声帯までを上気道、それ以下の気道を下気道と呼びます。気管・気管支は空気の大切な通り道ですが、それだけではなく、吸入した異物などを痰として押し上げて排出する役割も持っています。