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【連載】看護に役立つチューブ・カテーテルの使い方

第1回 整形外科手術後のドレナージ、ドレーン管理

  • 公開日: 2009/2/16
  • 更新日: 2020/10/22

▼ドレーン(ドレナージ)について、まとめて読むならコチラ
ドレーンとは|ドレーンの種類と管理


術後ドレナージの管理

 整形外科手術の術後管理の重要な項目の一つとして、術後ドレナージの管理があります。今回は福岡県北九州市の新日鐵八幡記念病院 整形外科 田山 尚久 先生に術後ドレナージに対する考え方やどのように管理されているかについてお話を伺いました。

新日鐵八幡記念病院 整形外科 田山 尚久 先生の写真

 年間約120例の人工関節置換術を含む約700例の整形外科手術を行っています。スタンダードで安全な手術手技を心がけています。

術後ドレナージの目的

 整形外科手術において術後ドレナージの目的は、血腫形成を予防し腫脹による疼痛の軽減・創部感染予防・良好な創治癒促進を図ることです。 当院では股関節・膝関節などの関節手術や脊椎手術、下肢骨折手術など様々な症例でドレーンを留置しています。創内の滲出液を確実に排液することは、創外への出血の漏れの防止など創汚染予防の観点からも重要です。

 留置するドレーンの選択は、閉塞しにくいことが第一条件であり、当院では従来PVC製のドレーンを使用していましたが、2007年度より特殊なスリットタイプのドレーンを導入しています。このドレーンは程よい強度と柔軟性を持つポリウレタン製であり、内腔が広く閉塞しにくい形状であると考えています。

 また、ポリウレタン製でスリットタイプのドレーンを導入した事によって、従来使用していた側孔タイプのドレーンに比べ抜去時の患者さんの疼痛が軽減したと感じています。

術後ドレナージの管理方法

 整形外科手術後のドレナージは清潔に保つことが重要であり、病棟の看護師に対してドレーンに不必要に手を加えないように指導しています。

排液管理は主に「はかり」を用いて重量を計測し、術直後は30分から1時間に1回、翌日からは2時間に1回計測し記録するように指導しています。

 人工関節置換術では術直後で100~200g/時間程度の排液があり、翌日には10~20g/時間程度に減少し、術後36時間でほぼ排液がなくなります。ほぼ排液がなくなり、排液の性状が漿液性になったらドレーンを抜去しています。

 排液量を管理する目的は、初期には時間当たりの排液量の変化を確認し、出血のスピードと出血総量を知ることにあります。それによって輸液量が適正であるか、輸血が必要であるかなどを判断しますので正確な量を知る必要があります。

 そのため性状が血性か漿液性かにかかわらず重量管理で統一しています。また、排液の性状はカテーテル部分が確認しやすいです。

管理上の注意点

 術後のドレナージでは、排液の逆流が感染を引き起こす重大な要因の一つとなりますので、排液の逆流防止が重要です。

 当院では吸引口に逆流防止弁が付いていて貯留物が逆流するのを防ぐ構造になっているポンプを使用していますが、万が一を考え貯留物廃棄時にはドレーンをクランプするように徹底しています。

ドレーンの固定法

 ドレーンの固定は刺入部の糸掛け固定に加え、手術創をガーゼで覆い、その外側をテープで1~2箇所固定しています。刺入部の糸掛け固定の際は、皮膚に糸をかけ網目状に2~3回交差させて結ぶようにしています。

 糸を同じ位置で2重3重に巻きつけずに、網目状に交差させて巻きつけ結ぶことでドレーンの閉塞を防いでいます。糸掛け部でずれないようにドレーンが軽く変形する程度の力で糸掛けするように注意しています。

ドレーンの固定法説明図
図 ドレーンの固定法

 テープで固定する際は、まず皮膚に剥がれにくいテープを貼ります。ドレーンをその上に置き、別のテープでドレーンを包み込むように固定し、最後に切り込みを入れたテープで上から抑えるように固定します。

ドレーンの固定法説明図②
図 ドレーンの固定法②

 上記の固定法にしてから、ポンプが引っ張られた際でもドレーンが抜けたりずれたりといった経験はありません。整形外科手術後のドレーン管理においては以上のように時間毎の排液量の計測・事故(自己)抜去やずれの防止・逆流の防止等が注意の必要なポイントになっています。

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