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【連載】訪問看護でのスキンケアQ&A

褥瘡にポケットがある患者さんへの在宅でできるケアの工夫とは?【PR】

  • 公開日: 2024/1/17
  • # 注目ピックアップ
  • # 訪問看護
  • # スキンケア

寝たきりの患者さんで、仙骨に大きな褥瘡(ポケットあり)があり、毎日洗浄し軟膏を塗布しておむつで保護していました。一時はよくなっていましたが、少しの圧で容易に大きくなってしまうという状態でした。在宅で行えるスキンケアの方法や除圧の工夫などがあれば教えてください。

原因の除去、感染予防を多職種と連携して実施しましょう。

原因となるずれを取り除き、感染を予防するケアを行う

 この患者さんの場合、寝たきりであることと、ポケットがある褥瘡という2点がポイントです。ポケットのある褥瘡は、治りにくい褥瘡の代表格で、皮下脂肪よりも深い組織が壊死してしまい、ポケット状の空洞ができたものです。空洞には滲出液が溜まり、腱や筋層の間の結合が弱い部分に入り込み、ポケットがどんどん広がってしまいます。

 一番の原因となるのは「ずれ」です。寝たきりの患者さんは、自分でずれが生じるような動きをすることはほぼないのですが、介護者が身体を動かすときに引きずってしまっていないか、ベッドのヘッドアップ・ダウンのときにずれが生じていないか、ポジショニングに問題はないかなど、日々のケアをしっかり見直す必要があると思います。除圧のマットレスが適切かどうかも確認します。

 褥瘡ケアの基本は洗浄です。ポケットが広がるほど滲出液が増え、そこに感染が加わると膿が生じます。表面だけでなく、ポケットの中までぬるま湯でよく洗います。洗浄後は汚れたお湯がポケットの中に残らないように注意し、感染を予防します。

ケアを統一するために多職種との連携をコーディネイトする

 在宅の場合、多職種が訪問していますし、デイサービスなど通所のスタッフがかかわることもありますから、褥瘡のケアやポジショニングの方法を皆で共有することが難しい環境にあります。看護師が問題に気づき、提案したことを、直接介護者に「こうしてください」と伝えるよりも、ケアマネージャーに「今こういうケアが必要で統一していきたいので、これを皆さんで共有していけるような協力をお願いできませんか」と戻して、ケアマネージャーがプランを立て、スタッフに伝達していく方法がスムーズなこともあります。ご家族が第一介護者の場合は、訪問看護師が一緒にやってみて、ポイントを直接指導することもあります。理学療法士や作業療法士がいる事業所では、看護師の訪問に同行して、専門的な視点からポジショニングを一緒に考えてもらうのもよいでしょう。在宅患者さんの褥瘡などの問題に最初に気づくのは、看護師であることも多いと思います。訪問看護師の独り相撲にならないように、「もっとこうしたほうがよいんじゃないか」を共有する方法を、多職種で連携してコーディネイトしていけると、褥瘡ケアの近道になると思います。



おむつのギャザーに沿って鼠径部の皮膚が湿潤し、浸軟と発赤疹を繰り返しています。どうケアするとよいのでしょうか。

皮膚を保護しバリア機能を回復させます。おむつの選択・あて方が適切かの見直しも行いましょう。

皮膚の保護を優先する

 おむつ内は高温多湿で、皮膚が浸軟しやすい環境です。この患者さんは鼠径部の皮膚に浸軟と発赤がありますので、IAD(失禁関連皮膚炎)の可能性があります。そのような状態の皮膚に対しては、保湿よりも、撥水性がある保護剤で被膜を作って保護し、皮膚バリア機能を回復させることを優先します。

 皮膚を清潔にして保護剤を塗るのがケアの基本となりますが、塗る部位や塗り方に工夫が必要です。肛門周囲や仙骨部、殿部といった排泄物がつきやすい部分を積極的に保護する一方で、鼠径部や腸骨部への塗布は二の次になりがちです。これらおむつのギャザーが当たる部分にもしっかり塗布するようにします。保護剤を塗るときは、保護剤を指で患部に塗り広げるのではなく、いったん自分の手に取り、両手のひらに広げてから、その手を患者さんの皮膚にあて、押さえるように塗布するようにし、摩擦や刺激を加えないようにします。

おむつの選択・あて方を見直す

 おむつのギャザーの部分にスキントラブルがある場合、おむつが患者さんに合っていない可能性もあります。患者さんの体型や身体の動き、ADL、尿量や便回数、交換回数などをしっかりアセスメントして、おむつを選ぶ必要があります。

 おむつはギャザーを立たせ、テープを広げ、インナーパッドを使うときはギャザーの中にしっかり入れます。巻いたおむつをあてた後に、鼠径部の折り曲がりの部分と、ギャザーの部分にずれや圧迫がないか、無理なテンションがかかっているところはないか、大腿のあたりに手を添えて確認します。引っ張られている部分があっても、手を添えることでテンションを逃すことができます。浸軟などのスキントラブルに着眼しがちですが、まずはこういった細かい基本的なケアをしっかり行うことが大切だと思います。



敏感肌にも使えるミノンシリーズ

ミノン薬用保湿入浴剤

第一三共ヘルスケア_ミノン薬用保湿入浴剤


しっしん・肌あれ対策ができる入浴剤。お湯に溶けるクリームのようなうるおい。敏感肌・乾燥肌の方へお勧め。グリーンフローラルの香り(微香性)。


[医薬部外品]販売名:ミノン入浴剤
480mL、400mL(つめかえ用)



ミノン全身保湿ミルク
ミノン全身保湿クリーム

第一三共ヘルスケア_ミノン全身保湿ミルク


敏感肌、バリア機能が乱れやすい肌を支える全身に使える「塗るミノン」。広い範囲のケアにはべたつかないミルクタイプ、乾燥のつらい部位にぴたっと密着感のあるクリームタイプ。


[医薬部外品]販売名:DSミルクz
200mL、400mL、320mL(つめかえ用)
販売名:DSクリームz
90g


詳しい製品内容についてはこちら → https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_minon/


がん治療の皮膚ケア情報サイト はだカレッジ


第一三共ヘルスケアのはだカレッジ画像

薬物療法の皮膚障害の情報を提供するサイト。
患者・家族向けの情報と医療従事者向けの情報を掲載。
医療従事者向けでは、「皮膚に学ぶ・薬に学ぶ・症例から学ぶ」「外来で役立つ・病棟で役立つ・生活で役立つ」の6つテーマに分けた情報が得られます。

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hada-college/hcp/

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