第8回 【看護研究】考察を書き、全体を整える
- 公開日: 2009/11/19
考察の記述でよくある間違い
わたしは研究発表会の講評に招かれる機会が多く、事前に抄録を点検させていただくことが多いのですが、そこでよく気づくことがあります。 それは、「結果」「考察」と読み進めていくうちにどんどん内容が詳しくなってしまうことです!
よくあるのは、「結果」に量的な集計結果が図表で載せてあって、「考察」に図表に乗り切れなかった自由回答の内容を紹介しているなどです。「結果」の内容が「考察」に食い込んでいるのです。
考察の書き方
論文の構成としては、「問題と目的」が研究全体の方針を示す部分。
「研究方法」はその方針を具体化した部分。「結果」は、研究によって得られた内容を、最初に呈示した方針に沿ってわかりやすく解説する部分です。そして「考察」は、あくまで「結果で述べられている範囲内で」、研究者としての意見を、方針に沿って展開していく部分です。
具体的な考察の展開方法ですが、「結果の解釈」→「結果が看護にもたらす貢献度」→「結果から生じた問題点や今後の課題」の順に進めていきます。
1)「結果の解釈」
ひとつの研究例を示します。「意識下手術を受ける患者さんを対象に、手術室入室直後から、自分のペースで深呼吸をするように促し、リラクセーション効果が得られたかどうか血圧・脈拍から評価した」とします。