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[医療改革] 高所得の75歳以上の医療保険料、上限額年14万円増 厚労省案

  • 公開日: 2022/11/21

 75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度について、厚生労働省は17日、高所得者が支払う保険料の年間の上限額を現行の66万円から80万円に引き上げる見直し案を社会保障審議会・医療保険部会に示した。支払い能力に応じた負担を求めることで、高齢者医療費の一部を賄っている現役世代の負担を抑えるのが狙い。一部の委員からは、引き上げの対象となる人の急激な負担増を緩和するための経過措置を設けるよう求める意見が出た。


 保険料上限の引き上げは、2024年度から適用される。75歳以上の加入者の約1.3%が対象となるが、低所得層の保険料負担は増えない。引き上げ分は、現役世代の負担抑制のほか、出産育児一時金の財源にも充てられる見通し。
 同制度での医療給付費の負担率は、高齢世代が約1割、現役世代が約4割、公費が約5割。現行の高齢者の負担率の設定方法は、現役世代の減少のみに着目しており、08年度の制度創設以降、現役世代の負担が増大している。25年までに団塊の世代が後期高齢者になる中で、その傾向が当面続く見込み。
 一方、長期的には高齢者人口の減少局面でも高齢者の負担率が上昇し続ける構造になっていることから、今回の制度見直しでは高齢者世代や現役世代のそれぞれの人口動態に対応できる持続可能な仕組みにするとともに、現役世代の負担の上昇を抑制する。
 具体的には、介護保険を参考にして後期高齢者1人当たりの保険料と現役世代1人当たりの後期高齢者支援金の伸び率が同じになるように、高齢者の負担率の設定方法を見直す。
 部会では、こうした厚労省案に大きな異論は出なかった。ただ、猪口雄二委員(日本医師会副会長)が「一部の後期高齢者の負担があまりにも急に増え過ぎる」とし、上限の引き上げに経過措置などを設けることを要望した。
(厚生政策情報センター)

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