1. トップ
  2. 看護記事
  3. ニュース
  4. 厚生行政ニュース
  5. [医療提供体制] 在宅医療の現状と課題について2回目の意見交換 厚労省・WG

[医療提供体制] 在宅医療の現状と課題について2回目の意見交換 厚労省・WG

  • 公開日: 2022/3/12

 「第8次医療計画等に関する検討会」の下に設置された「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(WG)は9日、在宅医療の現状と課題について2回目の意見交換を行った。厚生労働省が1回目で示した検討の柱を中心に今夏まで大きなテーマに沿った議論を一巡させ、取りまとめに向けて夏以降に意見を集約していく予定。


 厚労省が示した資料によると、全国の在宅患者数は2040年にピークを迎えて高止まりすることが見込まれている。また、これまでの調査で、▽訪問診療を行っている理由について「身体機能の低下のため、介助があっても通院が困難」が約5割を占める▽少数の医療機関が在宅医療の大半を提供している実態がある▽在宅療養支援診療所(在支診)であっても実際には在宅医療をほとんど行っていない医療機関も多い▽病院の医師の平均年齢44.8歳に対し、診療所医師の平均年齢は60.0歳-などが分かっている。
 厚労省は、現状の医療計画においては、訪問診療を実施している医療機関数などが在宅医療の基盤整備に係る指標に採用されており、一日当たりの訪問サービスが可能な患者数などの具体的な数値目標が設定されていないことを課題に挙げて、在宅医療における役割分担や介護との連携、情報通信機器の活用などを含めた効率的な提供体制を構築することが必要だとした。
 これらを踏まえて、▽必要となる在宅医療等の整備量を確保するため、需要の設定と整備量の在り方▽基盤整備を行う上で、在宅医療を提供する医療機関等やそれを支える医療機関等との役割分担、診療のバックアップ等の仕組みとしてのグループ化、多職種連携、在宅医療・介護連携、情報通信機器等の活用等も含めた、質の高い効果的・効率的な在宅医療の提供体制▽在宅療養患者の状態に応じて適切な医療を提供できるよう質を維持し、持続可能性を高める方策-の検討を論点に挙げた。
 同WGの構成員からは、「在宅医療を支える在宅医療連携拠点を位置付ける必要がある」(鈴木邦彦・日本医療法人協会副会長)、「外来患者が5%以下の場合の減算の見直しが必要」(島田潔・全国在宅療養支援医協会常任理事)などの意見があった。
 島田構成員は、自営で開業した個人診療所の場合、労働基準法などで守られる立場ではないため厳しい状況にあり、連携する医師の数を後押しする施策が必要で、若い医師を病院から研修などで出してほしいと要望した。
 また、長内繁樹構成員(大阪府豊中市市長)は、居宅が始点または終点となる場合の「通院等乗降介助」について、その間の「病院等から病院等」または「通所系サービス事業所等から病院等」への移送が21年度介護報酬改定で算定可能となったが、院内の移動の付き添いが報酬にならない点を指摘した。
(厚生政策情報センター)

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

[医療提供体制] 一般病院の65.6%が電子カルテ導入、23年10月現在 厚労省

 厚生労働省の2023年医療施設調査(概況)によると、電子カルテシステムを導入している一般病院の割合は同年10月1日現在で65.6%、精神科病院は41.8%だった。一般病院と精神科を合わせた病院全体では8,122施設の62.5%が電子カルテを導入していた。3年前の20年に行われた

2024/12/4