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【連載】初歩からわかる看護研究

Step5【看護研究】「答え」を「概念枠組み」に書いてみる

  • 公開日: 2012/1/10
  • 更新日: 2020/10/22

研究疑問ができたら、疑問に対する「答え」を出しましょう。「答え」は研究してみなければわからないと、思わ れるかもしれません。

しかし、答えが全く想像つかないのでは、質問紙や調査票を作成することはできません。研究を行う際に、最初に「答え」をあらかじめ用意し、それが本当に合っているのかを実際のデータによって確認することが、研究には必要です。


【看護研究まとめ記事】
* 看護研究とは?テーマ選びと書き方まとめ(計画書、文献など)

「概念枠組み」に研究疑問への自分なりの答えを書く

研究の目的は研究疑問に答えを出すことです。「研究が終わるまで答えはわからない」のではなく、研究を行う際に、最初に「答え」をあらかじめ用意し、それが本当に合っているのかを実際のデータによって確認します。(図1)。

研究の進め方

この「答え」をしっかり概念枠組みに書けるかどうかが、良い研究に進めるかどうかの分かれ道です。

ただし、Type1因子探索研究だけは、まだ何があるかほとんどわからない段階で行う研究ですから、概念枠組みに「答え」を十分に用意することはできません。これはデータに基づいてこれから「答え」を作り出していくタイプの研究です。

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研究者の考え方を示す「概念枠組み」

さて、概念枠組みについて、もう少し詳しく説明していきましょう。概念枠組みとは、研究テーマについて研究者の考え方を示すものです(図2)。

概念枠組みの内容

研究疑問を提示し、それについてあなたがどう考えるのか、すなわち疑問に対する答えを示します。それに加えて「研究疑問」を補足説明するために、「研究疑問」で使った重要な用語について、定義づけ(用語の操作的定義)や、対象者の説明もしておきます。

口腔ケアに関するType5準実験研究を例に説明しましょう。

1.「非経口摂取患者について、レモン水を使った口腔ケアは口腔内環境の改善に効果があるか?」を、まず研究疑問として提示します。

2.さらに、研究疑問を補足説明する(1)用語の操作的定義(例では、レモン水を使った口腔ケアとは何か、口腔内環境とは何か)の説明。そして(2)対象者の条件について(例では、非経口摂取患者とはどういう人か)の説明を示します。

3.そしてメインとなるのが研究疑問に対する答えです。この例では、どのような効果があると考えられるのかを「答え」として書き記します(図3)。

概念枠組み様式例

研究疑問への自分なりの答えを書く「概念枠組み」

上段で、説明したように、概念枠組みとは、研究テーマについて研究者の考え方を示すものです(図1)。

概念枠組みの内容

「概念枠組み」の内容の2つめ、研究疑問に対する補足説明について、詳しく解説していきます。

用語の操作的定義

これは、研究疑問の中で使われた用語について定義づけをすることです。ここで行う定義は、あなたが定めた、あなたの研究に限定した定義です。学者が述べた一般的な定義を述べるのではありません。

もちろん、学者が定義した言葉を引用するのは構いません。しかしその場合も、「誰々が定義している『○○とは△△』を参考に、本研究では○○を『△△』と操作的に定義する」というように、必ず自分で解釈し、自分の言葉で説明してください。

逆にいうと、ここでの定義が一般的に利用できるかまでは保証しません。あくまで自分の研究に限定し、自分で決めた定義ですから、「操作的」が付くの です。用語の操作的定義は、研究疑問の中で使用した用語以外にも、「答え」の中で定義づけする必要性があれば、適宜行ってください。

対象者の条件

もう一つ「研究疑問」を補足説明するために対象者の条件をはっきりさせておきます。先ほどの例では、研究疑問から対象者が「非経口摂取患者」なのだということがわかりますが、年齢やどのくらいの期間にわたり非経口なのか、なぜ非経口なのかという詳細がわかりません。

例えば誤嚥性肺炎があって寝たきりの高齢の患者さんと、検査や治療のため禁食になっている若い患者さんでは、同じ非経口でも全く違います。どのような条件をもった人を対象者にするのか、明らかにしておきましょう。

研究疑問に対する答え

概念枠組みの中核となるのが、内容の3つめである「答え」の部分です。先に説明したように、Type1因子探索研究以外は、「答え」をあらかじめ用意します。研究の根拠ともなるので最も力を注ぐべきところです。

Type2実態調査研究の「○○について何がどのくらいあるのか?」では、「何があるのか?」その答えを全て書き起こします。Type3関係探索研究の「○○に影響するものは何か?」では何が影響すると予測できるのかを答えとして書きます。

Type4比較研究の「(原因)が『ある人』と『ない人』では、○○(結果)に差があるか?」は、原因があるかないかで、結果としてどのような差が生じているのかを答えとして挙げます。

Type5準実験研究の「○○は□□に効果があるか?」では、研究疑問に掲げたことについて、口腔内環境の改善、リラックス、痛みの軽減など、具体的にどのような効果があるかを書きます。

Type6実践報告の「○○を実践すると問題解決できるか?」では、新しい看護実践に取り組むことによって、どのようなことが問題解決できると考えられるのかを、「答え」として書きます。

このようにしてあらかじめ概念枠組みに書いた「答え」に基づいて、この後データ収集項目を決めていきます。ですから、ここで重要な「答え」が抜けてしまうと調査項目からも外れてしまいます。まずはの「答え」をしっかり書く。それがポイントです。

研究疑問に対する答え

次のページでは、「答え」の探し方について説明します。

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