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【連載】アセスメント力を身につけよう

腹部膨満のアセスメント

  • 公開日: 2014/1/21
  • 更新日: 2020/3/26

患者さんの異変を前に、「迷う」「わからない」「判断ができない」……。ここでは、そんな体験をした読者から寄せられた「アセスメントに迷いやすい症状」を5つピックアップしました。症状ごとに、どのような患者情報を集めたらいいのか、判断するときのポイント、アセスメント手技などについて、ステップを追って解説していきます。


Q.お腹の張りを訴える患者さんの腹部のアセスメントは、何から行えばいいのか迷ってしまいます。(東京都 婦人科病棟)

A.6つのFを念頭に置き、消去法で判断しましょう。

いくつかの診察を組み合わせて精査する

おにぎり、お菓子、水筒といろいろなものを詰めたリュックサックがあります。中身を当ててごらんといわれても、外側から触っただけでは、硬いか柔らかいかくらいしかわかりません。これと同じで、お腹の中にはいろいろな臓器があるので、触っただけではそれが何かわからないのです。

しかも、お腹というのは、普段は柔らかいリュックサックですが、中で炎症が起こっていると腹膜が刺激されて腹筋が張るので、スーツケースのように硬くなります。硬いスーツケースになれば、リュックサックの場合以上に、上から触っても何もわからないでしょう。

打診・触診でわかること、わからないことの限界を知っておくこともアセスメントの基本です。言い換えると、一つの手技に頼らず、いくつかの診察を組み合わせた精査が不可欠ということです。ただし、腹部のアセスメントは、打診、触診の前に、聴診を行います。なぜかというと、腹部は打診や触診によって腸雑音が増強することがあるからです。

※ 次は、「腹部膨満の原因となる6つのF」について解説します。
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6つのFのうち「ありえない原因」を排除する

腹部がふくらむ原因は6つあります(図1)。(1)ガス(腸ガス=flatus) (2)便(feces) (3)脂肪(fat) (4)腹水(fluid) (5)腫瘍(fibromaで代表されますが、本来はgrowth) (6)妊娠(胎児=fetus)の6つです。これらの頭文字を集めたものを「6つ のF」といいます。

それらを念頭に置きながら、視診、触診、そして打診などを組み合わせて、原因を絞り込んでいきます。

患者さんが男性や小児であれば、妊娠はありえません。成人女性の場合でも、妊娠の有無はほかの情報によって確認できるので、これは最初にクリアできます。このように、「ありえない原因」を排除したら、膨らみ方をみていきましょう。

腹部がふくらむ原因は6つ

山内豊明 編:ナーシンググラフィカ(3) 疾病の成り立ち──病態生理学[第2 版]、p.269、メディカ出版、2010.

膨らみ方、打診音、移動性を調べ内部を推定する

局所に片寄らず、満遍なく膨らんでいるなら脂肪と考えられるし、部分的に盛り上がっているなら便か腫瘍と考えられます。また、患者さんの体の向きを変えてみて、打診による濁音域の境界が移動するなら腹水と考えられます。

打診してポコンポコンという音がすれば、ガスがたまっている可能性があり、触ってみて塊が固定していれば腫瘍であることが考えられます。しかし、さっきはここにあったのに、次に触ると違う場所にあるという場合は、便の可能性もあります。

※ 次回は、「浮腫のアセスメント」について解説します。

(『ナース専科マガジン』2011年6月号より転載)

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