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【連載】アセスメント力を身につけよう

異常呼吸音(副雑音)の種類とアセスメント

  • 公開日: 2014/1/14
  • 更新日: 2020/10/22

患者さんの異変を前に、「迷う」「わからない」「判断ができない」……。
ここでは、そんな体験をした読者から寄せられた「アセスメントに迷いやすい症状」を5つピックアップしました。症状ごとに、どのような患者情報を集めたらいいのか、判断するときのポイント、アセスメント手技などについて、ステップを追って解説していきます。


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Q.呼吸器疾患の患者さんの呼吸音を聴診しても、肺炎や喘息、肺そのものの疾患など、「どの疾患の症状なのか?」と判断に迷ってしまいます。(宮崎県 混合病棟)

A.症状が重なっていないか、順を追って精査していきましょう。

症状は重なっていないか、一つひとつ聴き分けていく

 患者さんの身体に現れる症状は一つとはかぎりません。いくつかのことが同時多発的に起こっている場合も少なくないのです。このような場合には、症状が重なってしまいます。だからといって慌てることはありません。苦手意識を持つナースが多い呼吸のアセスメントも、順を追って精査すれば、筋道が通った判断を得られます。

3つの部位の呼吸音が正常か、異常かを確認する

 呼吸音は空気の入り口付近から肺の奥まで、その通り道の各部位によって聴こえる音が異なります。正常呼吸音は、喉元で聴こえる「気管支音」と、肺の末梢から聴こえる「肺胞音」と大きく2つに分かれ、もう一つ、その複合音ともいえる気管支と肺の境目辺りで聴こえる「気管支肺胞音」を加えた、3つの音に分けられます。
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 聴診器を当てたそれぞれの場所で、しかるべき音がすれば、「換気がうまく行われている」と判断できます。これをまず確認しましょう。しかし、正常呼吸音に混ざって、本来そこで聴こえるはずのない「異常呼吸音」が聴こえる場合には、換気を阻害する問題が発生していると考えられます(表1)。

呼吸困難を引き起こす呼吸器系の主な原因
表1 呼吸困難を引き起こす呼吸器系の主な原因

4種類の「副雑音」を聴き分けて異常の原因を判断する

 「異常呼吸音」を指す用語には、「副雑音」や、通常の呼吸音に付け加わる音として「付加音」、「二次性音」などがあります。「異常呼吸音」は、4種類の副雑音に分類されます(図1)。

 まず、副雑音は「断続性」か「連続性」かの2つに分けられます。途切れ途切れな音は「断続性副雑音」であり、引っ張るような音は「連続性副雑音」です。「断続性副雑音」であれば、さらに、炭酸飲料のような「パリパリ」とか「チリチリ」という「細かい」音と、お鍋でお湯が沸騰したときの「ブクブク」という「粗い」音との、2種類に分けられます。

 一方、「連続性副雑音」のほうは、いびきのような「低調性」の音と、笛のような「高調性」の音との、2種類に分けられます。この合計で4つの副雑音のパターンが、異常呼吸音の性質として分けられ、それぞれ異常の原因や部位を反映しています。

 空気の通り道にどのような異常が生じているかどうかを判断するには、まず、「断続性」なのか「連続性」なのかを聴き分けましょう。連続性副雑音は「空気の通り道が狭い」、つまり「気道狭窄」が起こっていることを示す音です。

 例えば、喘息なら気道がギューっと狭まるので、連続性副雑音が聴こえます。音の高低は狭窄の程度の違いを示し、狭窄が強いほど音が高くなります。つまり、「ヒューヒュー」という高調性連続性の副雑音が口元から聴こえた場合は、「グーグー」という低調性連続性の副雑音が聴こえた場合よりも、気道が狭くなっていることを示唆しているのです。

 また、肺炎などの疾患があり、分泌物が換気を阻害しているようなら、「ブクブク」という粗い断続性副雑音がするでしょう。肺線維症(間質性肺炎)であれば、肺の奥のほうから「チリチリ」という細かい断続性複雑音が聴こえます。また、肺炎と喘息の症状が重なっていれば、「ブクブク」という音も「ヒューヒュー」という音も重なって聴こえます。

 空気の通り道と音の意味がわかっていれば、患者さんのそのほかの情報を加味して、一つひとつ精査することができます。

異常呼吸音(副雑音)の分類
図1 異常呼吸音(副雑音)の分類

※ 次回は、「腹部膨満のアセスメント」について解説します。

(『ナース専科マガジン』2011年6月号より転載)

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