1. トップ
  2. 看護記事
  3. 症状から探す
  4. 吸引の苦痛を最小限にする6つのコツ

【連載】ここを見直そう! 排痰ケア

吸引の苦痛を最小限にする6つのコツ

  • 公開日: 2015/2/13

患者さんへの侵襲を軽減するためには、「肺理学療法」による排痰法を優先し、ルーチンで吸引を行うことは避けるべきです。
しかし、必要となった場合には、適用をきちんとアセスメントし、正しい方法で患者さんの苦痛を軽減しましょう。


【吸引のまとめ記事】
* 吸引の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コツ

適切な方法で、吸引による侵襲を最小限に留める

「効果的な吸引のコツを教えて」という看護師の声は少なくなく、切実な問題だと思われます。吸引の前提として、侵襲性の低い吸引をめざすことは言うまでもありません。

要するに、不要な吸引をしない、実施する場合は適切な方法で行うという意識をもつことが大切です。

吸引の主な適応基準には、

    ・ 患者さん自身が咳嗽などによる排痰が不可能
    ・ 努力性呼吸が強い
    ・ 聴診や触診によって主気管支に痰の貯留が認められる
    ・ ガス交換障害がある
    ・ 人工呼吸器使用のときに気道内圧の上昇や換気量の低下、フローボリューム曲線でのこぎり歯状の波形がみられる

などがあります。

苦痛を最小限にするコツ

コツ1:適切な方法で、侵襲を最小限に留める

カテーテルの挿入は、気管支の分岐部手前までが痰を吸引できる範囲(図)です。カテーテルを無理に伸ばそうとすると、分岐部を傷つける危険があります。

カテーテルの挿入範囲説明図

(図)カテーテルの挿入範囲

もっと奥に溜まっている痰については、まず体位ドレナージなどにより中枢気管支に移動させてから吸引にとりかかるようにもっていくべきです。

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

第5回 小児の吸引(気管吸引)|目的、手順、注意点

吸引の目的  小児は上気道が狭く自分の力で分泌物を喀出できないことがあるため、気道閉塞を起こしやすい状態になっています。そのため、下記の目的で必要時に吸引を実施します。 ①気道分泌物などの異物の除去 ②気道閉塞の防止と換気の改善 吸引の適応  以下のような症状が

2022/2/15

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
4位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
5位

SIRS(全身性炎症反応症候群)とは?基準は?

*この記事は2016年7月4日に更新しました。 SIRS(全身性炎症反応症候群)について解説します。 SIRS(全身性炎症反応症候群)とは? SIRS(全身性炎症反応...

250839
6位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
7位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
8位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
9位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949
10位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636