【看護倫理・事例】第2回<解決編>体位変換したら「夜中に起こすな」と怒られたケース
- 公開日: 2014/6/17
ジレンマの原因がどこにあるのか、それらが倫理的にどのような問題を含んでいるかを見極めるためには、それぞれの行為が倫理的に正しいかどうかを点検してみる必要があります。
その方法にはいろいろありますが、このコーナーでは、フライの倫理原則に基づきチェックする方法を紹介します。
第1回で紹介したケース【体位変換したら「夜中に起こすから眠れない」と怒られてしまった・・・】について、5つのポイントを確認しながら、解決策を考えてみましょう。
5つのポイントでチェック
ポイント1 あなたの看護行為は、患者さんの害になっていませんか?
田中さんの不満を買った夜中の体位変換ですが、では、もし看護師が田中さんに体位変換を行わなかったとしたら、どうなるでしょうか。おそらく、入院中に褥瘡をつくったり、排痰が思うように進まず、呼吸状態の悪化や合併症、回復の遅れがみられたかもしれません。
これらを防ぐことができたという点では、体位変換を実施した看護師の行動は、患者さんへの害を十分に避ける行動になっていたといえるでしょう。
体位変換を行わなかったときの害と体位変換を行ったときの害の両面からみて、看護師は体位変換を行うことを選択しました。しかし田中さんの睡眠を妨げることになり、体位変換は、患者さんに害を与える行為になっていたとも考えられます。
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