【頻回な夜間のトイレ、便秘の看護など】排泄ケアのアセスメントの3つのポイント
- 公開日: 2014/7/25
治療をスムーズに進めるため、あるいは安全・安楽に支援するために、高齢者特有の症状や機能低下について解説します。
排泄
1 頻回な夜間のトイレ──頻尿なのか、不眠なのかを見極める
患者さんが頻尿の場合、排尿状況を確認し、その原因を考えます。排尿状況の確認には、排尿日誌をつけます。トイレに行った時間、その際の排尿の有無、残尿量、失禁の有無、水分摂取量などをチェックします。
また、排泄は心理的要因も影響するので、どんな場面で尿意(または失禁)を訴えたのか、その前後には何をしていたのか、といったことも確認します。
また、尿意を訴えたときの残尿量も確認します。尿道カテーテルを使って最大膀胱容量を測定することで行いますが、最近ではハンディタイプの超音波画像診断装置で測定することもできます。
膀胱用超音波画像診断装置
夜間に頻回な尿意を訴えるときは、本当に尿意がある場合と、眠れないからトイレに行く場合とがあります。排尿日誌の内容と膀胱の残尿量などを確認しながら、見極めていく必要があります。眠れないことが原因であれば、睡眠障害に対応したケアを検討します。
2 便秘の状態、発生要因を把握する
高齢者で問題になる便秘は、疾患や症候が原因の急性の便秘と、日常的に続く慢性的な便秘です。腸閉塞や腸捻転などが原因の急性の症候性便秘の場合は、緊急に治療が必要になります。
慢性的な便秘の場合は、排便機能を把握し、低下の要因をアセスメントすることが重要になります。一般的に便秘は、排便回数が減少し、硬い便を出すのに苦労する状況とされますが、排便回数だけで判断することはできません。腹部の張りや個人の排便習慣と照らし合わせ、本人の不快感なども確認した上で判断することが大切です。
■①排便リズム
排便の回数・時刻、便の色・性状・量、便意の有無などを確認しますが、このときには食事量、水分量、運動量もチェックします。また、生活環境やトイレの環境、生活リズムの変化がないかも確認します。
■②便の性状
ブリストル便性スケールで確認します。1から2に該当すれば便秘と考えられます。食事内容・量、水分摂取量などが影響します。
ブリストル便性スケール