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【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

長時間の臥床に関連して便秘になった患者さんに関する看護計画

  • 公開日: 2025/6/21

長時間の臥床に関連して便秘になった患者さんに関する看護計画

 便秘とは体外に排出すべき便が快適に排出できない状態をいいます。高齢や長期臥床によって筋力が低下したり腸の蠕動運動が低下することで排便がスムーズに行えない場合があります。今回は、高齢による長期臥床で排便コントロールが必要な患者さんに関する看護計画を立案しました。

POINT

観察計画 O-P 原疾患の状況、排便回数などを把握する。高齢者はトイレの回数を減らしたい、加齢により喉の乾きを感じにくくなっているなどの理由から水分摂取量が減っていることがある、また食事量も減っていると食事からの水分摂取量も減少している可能性があるため、患者さんの水分や食事の摂取量を確認し、摂取量が十分かどうかを検討します。日々状態が悪化している場合は検査データも踏まえて観察していく。腸閉塞やイレウスが便秘の原因となっている可能性もあるため、関連する検査値のデータも確認する。

援助計画 T-P 患者さんが排泄しやすい環境に整える。十分な水分摂取や食事摂取を促す。薬剤を使用する場合は、医師の指示に従う。

教育計画 E-P 大腸の機能を説明し、便秘によってお腹が張る、残便感があるなど気になることは、話してほしいと伝える。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

長期臥床で便秘が生じている

看護目標

症状が緩和されて自分なりの排便コントロールができる

観察計画 O-P

原疾患の治療状況
排泄状況(排便回数、量、性状、間隔など)
腹部症状の有無、程度
食事や水分の摂取状況
体重の推移、In-Outバランスの推移
倦怠感の有無、程度
検査データ(WBC、CRPなど)
画像データ(腹部XP、CT、腹部エコーなど)

援助計画 T-P

排便環境を整える
ADLやセルフケアに応じて排泄方法を考える
可能な範囲で食事や水分摂取の方法を工夫する
医師の指示に基づく薬剤を使用する

教育計画 E-P

必要に応じて大腸の機能について説明する
苦痛を我慢せず伝えてもらうように説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する

看護計画を書くときに参考にしたい記事

便秘(慢性便秘症)の看護|種類・観察項目・看護計画など
下剤が効かない便秘の患者さん、どうする?
温罨法や腹部マッサージは便秘に効果がある?
チームの力で患者さんの排便をサポート|排便サポートチームの取り組み


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