輸液のルートを自己抜去してしまう患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/6/23
脳梗塞で点滴ルートを自己抜去してしまう患者さんに関する看護計画
脳梗塞は何らかの原因で、脳の血管が狭窄あるいは閉塞して脳細胞に虚血が起こって、その血管が支配する領域の脳組織が障害された状態です。脳組織の障害に応じて高次機能障害が生じて認知機能が低下する場合があります。今回は、脳梗塞で点滴ルートを自己抜去してしまう患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 患者さんの意識レベルの確認、その他の運動障害や感覚障害の有無と程度を把握する。また、高次機能障害に関する観察も行っていく。患者さんの全身状態を把握するとともに、なぜ抜去してしまうのかを考える。点滴ルートの刺入部も観察する。
援助計画 T-P 患者さんが無意識にルートを抜去してしまわないように、ルートが見えないように工夫する。点滴の時間など、医師に相談し、変更することでルート抜去が防げそうであれば検討する。ルート抜去を防ぐために身体抑制は行わず、それ以外で抜去が防げるよう考える必要がある。
教育計画 E-P 意識レベルなどに合わせて、点滴の必要性などを説明する。気になることなどがあれば、話してもらうように伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
点滴のルートを自己抜去するリスクがある
看護目標
点滴のルートを自己抜去せずに生活することができる
観察計画 O-P
意識レベルの推移
高次機能障害の程度
運動障害や感覚障害の有無、程度
日中の離床状況、活動状況
歩行状態や立位、座位姿勢の状況
リハビリの進捗状況
内服状況
排泄状況(排便や排尿の回数、性状など)
検査データ(TP、Alb、CRPなど)
画像データ(頭部CT、MRIなど)
援助計画 T-P
点滴の刺入部やルートが可能な範囲で患者に見えないように環境を整える
点滴の回数や投与時間を可能な範囲で短くできないか検討する
高次機能障害に応じて介助の方法を検討する
医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
意識レベルに応じて点滴の必要性について説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する