前立腺がん術後患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/9/10
前立腺がん術後で尿失禁がある患者さんに関する看護計画
前立腺がんは前立腺の悪性腫瘍であり、手術療法として前立腺全摘除術が行われることがあります。尿道括約筋や骨盤底筋への手術による影響により、術後に尿失禁が生じることがあり、QOLの低下が生じる可能性が考えられます。今回は前立腺がん術後で尿失禁がある患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 前立腺がんの術後は多くの患者さんに尿失禁がみられる。多くは、時間とともに改善し、尿失禁はみられなくなる。手術後は、患者さんの排尿パターンの把握や尿失禁の程度を確認する。尿失禁がみられる患者さんの心情を傾聴する。術後の疼痛がないか、食事や日中の離床が進んでいるかといったことも観察する。
援助計画 T-P 排尿パターンを把握し尿失禁に対するケアを行い、退院後にどのように対応していくかを患者さんと考える。尿失禁は手術に関連したものであるため必要に応じてリハビリを実施する。離床を促す。
教育計画 E-P リハビリや早期離床の必要性を説明する。前立腺がん術後の尿失禁についての知識を伝えるとともに、対応を伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
術後の尿道括約筋機能低下に伴い、尿失禁が生じている
看護目標
自立した排尿行動を確立できる
観察計画 O-P
排尿パターン(回数、量、失禁の頻度など)
尿の性状
排尿時の切迫感や残尿感の有無
排尿や失禁に対する患者の思い、考え
創部痛の有無、程度
食事摂取状況
日中の離床状況、活動状況
睡眠状況
検査データ(WBC、CRP、尿検査など)
画像データ(腹部X線、CTなど)
援助計画 T-P
患者さん自身の排尿パターンが把握できるように援助する
適宜、尿取りパッドや排尿器具の使用方法を提供する
必要に応じて骨盤底筋訓練ができるように支援する
離床ができるように環境を整える
教育計画 E-P
手術に関連した尿失禁について説明する
適宜、骨盤底筋訓練の必要性を説明する
早期離床の必要性を説明する
失禁対策の方法を説明する
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