肺炎で入院しているCOPDの患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/11/16
肺炎で入院しているCOPDの患者さんに関する看護計画
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は有害物質を長期に吸入することで炎症が生じ、慢性的な気流制限を特徴とする不可逆性の呼吸器疾患です。COPDが進行すると、咳嗽力が低下して痰などの気道にある異物を排出することが困難になり、防御機構が弱まることが考えられます。そのため、今回は肺炎が生じてしまったCOPDの患者さんに対する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 呼吸状態、特に呼吸音や痰の量、性状などを確認する。検査データから肺炎の状態を把握する。肺炎の治療が開始され、患者さんの状態がよくなったら、日中の活動量や離床の程度、食事・水分摂取などを観察する。
援助計画 T-P 痰を出しやすい体位に適宜調整する。状態が落ち着いてきたら、呼吸リハビリテーションを実施する。患者さんによっては咳嗽が弱く痰がうまく喀出できていない場合は、吸引することも検討する。
教育計画 E-P 呼吸リハビリテーションや痰を排出するために咳嗽、吸引、体位ドレナージが必要であることを説明する。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
肺炎が生じて呼吸機能が低下している
看護目標
呼吸状態が改善して日常生活が安定して送れる
観察計画 O-P
呼吸状態(回数、様式、胸郭運動など)
喀痰の性状、量
副雑音の有無、性状
呼吸困難感の程度
日中の活動状況、離床状況
食事や水分摂取量
排泄状況(排尿回数、便秘や下痢の有無など)
In-Outバランス
検査データ(WBC、CRP、喀痰培養など)
画像データ(胸部X線、CTなど)
援助計画 T-P
必要に応じて口腔内の清潔を保つ
適宜、ベッドギャッチアップや離床を検討する
必要に応じて体位ドレナージを検討する
呼吸リハビリテーション(口すぼめ呼吸、腹式呼吸など)が自分で行えるように支援する
必要に応じて吸引の実施を検討する
医師の指示に基づく酸素投与や薬剤の使用
教育計画 E-P
呼吸リハビリテーション(口すぼめ呼吸、腹式呼吸など)の必要性を説明する
咳嗽や吸引の必要性を説明する
体位ドレナージや離床の必要性を説明する
何かわからないことがあればスタッフに伝えてもらうように説明する
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