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【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

前立腺がん手術の影響で尿失禁がある患者さんに関する看護計画

  • 公開日: 2025/10/7

前立腺がんの手術の影響で尿失禁がある患者さんに関する看護計画

 前立腺がんは前立腺の悪性腫瘍であり、手術療法として開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術があります。多くのケースでは、一時的に術後は尿失禁が生じるため退院に向けて看護をしていく必要があるため、今回は前立腺がんの手術の影響で尿失禁がある患者さんに関する看護計画を立案しました。

POINT

観察計画 O-P 術後のため、創部の痛みがないか、離床は進んでいるかといった点を確認する。尿失禁に関しては、排尿パターンや排尿時の様子などを把握する。また、尿失禁について、患者さんがどう受け止めているかを聞き取る。その他、術後であり全身状態の把握のため、検査データや食事の摂取状況を確認する。

援助計画 T-P 患者さん自身が対応できるよう排尿パターンの把握や尿取りパッドの使用などを指導する。リハビリテーションが進むよう離床を促したり、生活の環境を整える。

教育計画 E-P 患者さんに前立腺がんの術後は、合併症として尿失禁が生じることが多いことを改めて説明する。骨盤底筋体操や早期離床など、リハビリテーションの必要性を伝える。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

手術の影響で尿失禁が生じている

看護目標

自立した排尿行動を確立できる

観察計画 O-P

排尿パターン(回数、量、失禁の頻度など)
尿の性状
排尿時の切迫感や残尿感の有無
創部痛の有無、程度
食事摂取状況
日中の離床状況、活動状況
排尿や失禁に対する患者の思い、考え
検査データ(WBC、CRP、尿検査など)
画像データ(腹部X線、CTなど)

援助計画 T-P

患者さん自身の排尿パターンが把握できるように援助する
適宜、尿取りパッドや排尿器具の使用方法を提供する
必要に応じて骨盤底筋訓練ができるように支援する
離床ができるように環境を整える

教育計画 E-P

手術の影響で尿失禁がみられることを説明する
適宜、骨盤底筋訓練の必要性を説明する
早期離床の必要性を説明する

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