患者さんの不安に関する看護計画|透析導入となった患者さん
- 公開日: 2025/12/30
糖尿病性腎症で透析導入となり今後の生活に不安を感じている患者さんに関する看護計画
糖尿病性腎症は、糖尿病により腎臓の糸球体が障害され、腎機能が徐々に低下していく疾患です。腎機能の低下が進行することで血液透析や腹膜透析が必要となり、透析の導入によって患者さんの生活が変化することから不安を感じることが考えられます。今回は、糖尿病性腎症で透析導入となり、今後の生活に不安を感じている患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 透析に関する知識、患者さんがどう理解しているのかを把握し、どんなことに対して不安に思っているのか、話を聞く。糖尿病の状態や、血糖コントロールなどについて把握する。家族のサポートが得られるのか、患者さん本人を含めた経済的な負担といったことも確認する。
援助計画 T-P 患者さんが不安に思っていることなどを傾聴し、サポートする。透析を生活に組み込んでいくにはどうするとよいのかを一緒に考える。家族のサポートが可能であれば、必要なことを家族に共有する。血糖のコントロールや現在の症状についても必要な支援を行う。
教育計画 E-P 透析について必要な知識を伝える。血糖コントロールの必要性を理解してもらう。不安なことがあれば、いつでも相談してほしいと伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
透析の導入に伴う生活の変化から対する不安を感じている
看護目標
透析のある生活を受容でき、前向きに自己管理できるようになる
観察計画 O-P
透析に関する知識、理解
生活の不安に関する訴えの内容、頻度(生活、食事、家庭、仕事など)
自覚症状の有無、程度
血糖値の推移、管理状況
自己管理能力の程度
家族のサポート状況
食事や飲水摂取状況
睡眠状況
検査データ(BUN、Cr、eGFRなど)
画像データ(胸部X線、CTなど)
援助計画 T-P
透析のある新たな生活習慣が受け入れられるように支援する
患者さんの不安や疑問を傾聴して心理的サポートを行う
必要に応じて、社会資源に関する情報を提供する
家族がかかわる場合は家族と情報共有し、治療への協力体制を整える
血糖コントロールが適切に行えるように多職種と協働する
教育計画 E-P
疾患と透析の関係について説明する
透析に必要な生活管理(食事内容、水分制限、内服管理など)について説明する
適切な血糖コントロールが全身状態の安定につながることを説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
看護計画を書くときに参考にしたい記事
第11回 透析はどんな仕組みで何を除去しているの?—血液透析(HD)・腹膜透析(CAPD)・血液濾過透析(HDF)
第12回 透析はどんな手順で導入するの?(シャント形成~)
透析の看護|血液透析と腹膜透析、導入基準、観察項目、看護計画
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