【尿失禁の看護】 尿失禁の種類・原因とアセスメント
- 公開日: 2011/9/20
尿失禁は生死にかかわる重篤な疾患ではないためか見過ごされがちです。
しかし人間としての尊厳やQOLに大きな影響をもたらす症状であり、とても重要な看護のテーマです。
患者さんにこのような症状が見られた場合、適切にアセスメントをし、QOLの向上を目指しましょう。そのためにもメカニズムやどうアセスメントをしていけばよいのかを知っておくことが大切です。
まずは、これを知っておこう!
人間の尊厳やQOLに影響を及ぼす尿失禁
排尿にかかわる異常には排尿困難、頻尿、排尿時痛などの症状があります(ナース専科マガジン2009年7月号参照)。そしてもう一つ、忘れてはいけないのが「尿失禁」。自分の意思では排尿コントロールができず、尿が漏れ出てしまう症状です。
尿失禁は決して珍しいことではありませんし、治療が可能で治癒するケースも多いのですが、見過ごされがちな一面があります。患者さんにしてみれば羞恥心を伴うためになかなか訴えられないし、患者さんの訴えがなければ医療者が気付くことが困難であり、生命危機に直結する重篤な疾患ではないことが多いため見過ごされがちです。
尿失禁であることに気づいたら適切な対応を
しかし、排尿は大切な生命の営みの一つであり、人間としての尊厳やQOLに大きな影響をもたらします。
また、尿失禁を適切に処置しないと、膀胱や腎臓など尿路系感染症を招きやすくなりますし、寝たきりの患者さんやオムツ使用の患者さんは、漏れ出た尿が皮膚を刺激して皮膚発疹や褥瘡を起こしやすくなります。身体の動きが不自由な患者さんや高齢の患者さんの場合には、急いでトイレに行こうとして転倒する恐れもあります。
受け持ちの患者さんの疾患が何であれ、尿失禁の気配を察知したら、自尊心や羞恥心に十二分に配慮しながら介入し、解決や改善につなげましょう。