1. トップ
  2. 看護記事
  3. 看護教育・制度
  4. 看護管理・教育
  5. 看護記録
  6. ICUで治療中の重症患者さんの清潔ケアに関する看護計画

【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

ICUで治療中の重症患者さんの清潔ケアに関する看護計画

  • 公開日: 2025/9/30

ICUで治療中の重症患者さんの清潔ケアに関する看護計画

 集中治療室(ICU)に入室している重症患者さんは、呼吸不全や循環不全などにより長期間の安静が必要なことが多くなります。そのため、患者さん自身で清潔を保持することが困難なだけでなく、体位変換や清潔ケアによって呼吸状態や循環動態が変動するリスクもあります。看護師はこれらのリスクを考慮したうえで、そもそも清潔ケアを実施するかどうか、清潔ケアをするならどのように実施するか検討することが求められます。今回はICUで治療中の重症患者さんの清潔ケアに関する看護計画を立案しました。

POINT

観察計画 O-P 治療経過、呼吸不全、循環不全、人工呼吸器のモードなどから患者さんの状態を把握する。皮膚の状態を観察し、褥瘡ができていないか、またはできそうではないか、デバイスの固定により、皮膚に負担がかかっていないかを確認する。栄養状態が低下していると、皮膚の機能が低下するだけでなく、褥瘡のリスクが高まるため、栄養状態も確認しておく。また、全身状態の悪化や抗菌薬など下痢が生じる可能性があるため排泄状況も確認する。

援助計画 T-P 患者さんの皮膚を清潔に保つことは感染予防につながる。患者さんの状態から清潔ケアの実施が可能かどうかをアセスメントし、可能であれば、実施する。清潔ケアの方法は、患者さんの状態に合わせて検討する。引き続き、皮膚の状態を観察する。

教育計画 E-P 清潔ケアの必要性について、患者さんや家族に説明する。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

全身状態の悪化に伴い長期間の安静から清潔保持が困難である

看護目標

清潔が保持され皮膚トラブルが予防できる

観察計画 O-P

原疾患の治療経過
呼吸不全、循環不全の推移
栄養状態
皮膚の状態
排泄状況(便の性状、失禁など)
人工呼吸器の設定(モード、FiO2、PEEPなど)
In-Outバランス
使用している薬剤(カテコラミン、ステロイドなど)
使用しているデバイス類
検査データ(TP、Alb、WBC、CRP、血液ガスなど)
画像データ(胸部X線、CTなど)

援助計画 T-P

状態に合わせて皮膚の清潔を保つ方法を検討する
体位変換や除圧の方法を検討する
デバイスの位置や固定方法を皮膚の状態に合わせて調整する
全身状態に合わせた栄養管理方法を検討する

教育計画 E-P

必要に応じて患者さん本人や家族に清潔ケアの必要性を説明する
必要に応じて患者さん本人や家族に栄養の必要性を説明する

看護計画を書くときに参考にしたい記事

清拭の目的と看護師が行う意義、手順
ICUに入室中の患者さん、清潔ケアは毎日行うべき?


この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

ICUで治療中に褥瘡が発生した重症患者さんに関する看護計画

NEW

ICUで治療中に褥瘡が発生した重症患者さんに関する看護計画  集中治療室(ICU)にはさまざまな要因で全身状態が悪化している重症患者さんが入室しています。その中で、全身状態の悪化に加えて人工呼吸器や輸液ルートなどデバイス類が多くなることで十分な除圧ができず、褥瘡が発生しやす

2025/9/30