双極性障害の患者さんの不眠に関する看護計画
- 公開日: 2026/7/13
双極性障害の患者さんの不眠に関する看護計画
双極性障害は、気分が高揚し活動性が増加する躁状態(軽躁状態)と、気分の落ち込みや意欲低下がみられるうつ状態を繰り返す精神疾患です。不眠は双極性障害でよくみられる症状のひとつであり、うつ状態による睡眠障害だけでなく、躁状態の前兆や再発徴候として現れることがあります。
特に躁状態では、睡眠時間が短くなっても疲労感を自覚せず活動量が増加することがあり、本人が不眠を問題として認識していない場合もあります。一方、うつ状態では入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などがみられ、疲労感や抑うつ気分の増悪に繋がることがあります。
そのため、双極性障害の患者さんの不眠に対しては、単に睡眠状況を把握するだけでなく、不眠の背景に躁状態やうつ状態がないかをアセスメントすることが重要です。また、規則正しい生活習慣や服薬継続を支援し、再発予防に繋げることも重要となります。今回は、双極性障害の患者さんの不眠に関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 不眠の有無だけでなく、躁状態やうつ状態の症状、活動量や睡眠リズムの変化、服薬状況などを観察し、不眠の原因を把握することが重要。
援助計画 T-P 睡眠環境の調整だけでなく、生活リズムの安定や服薬継続を支援し、躁状態やうつ状態の再発予防に繋がるかかわりを行う。
教育計画 E-P 睡眠と双極性障害の再発には密接な関係があることを説明し、患者さん自身が睡眠状態の変化に気付き、早期に対処できるよう支援する。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
双極性障害に関連した睡眠障害があり、躁状態やうつ状態の再発リスクを抱えながら睡眠・覚醒リズムの安定化が必要な状態である。
看護目標
患者さんが適切な睡眠を確保しながら睡眠・覚醒リズムを整え、躁状態やうつ状態の再発徴候に早期に気付くことができる。
観察計画 O-P
睡眠時間や睡眠・覚醒リズムの変化
入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒の有無
就寝時間や起床時間の変化
日中の眠気や疲労感の有無
睡眠に対する本人の認識
気分の高揚や易怒性の有無
多弁や活動量の増加の有無
浪費行動、対人トラブル、暴力行為など衝動的な行動の有無
抑うつ気分や意欲低下の程度
不安や焦燥感の有無
再発徴候の有無
生活リズムや活動量の状況
服薬状況や服薬継続に対する理解
薬物療法による副作用の有無
カフェインやアルコールの摂取状況
対人関係や社会生活の状況
家族や支援者との関係性
援助計画 T-P
患者さんの訴えを傾聴し、不安や悩みを表出できるよう支援する
必要時には睡眠日誌や記録表を活用し、睡眠状況や生活リズムについて継続的に把握する
患者さんが自身の睡眠状態を把握できるよう支援する
睡眠を妨げる環境要因を調整する
睡眠・覚醒リズムを整えられるよう支援する
日中の活動と休息のバランスを整えられるよう支援する
睡眠状況の変化と気分の変化を関連づけて振り返る機会を設ける
服薬継続を支援する
躁状態やうつ状態の再発徴候を早期に把握し対応する
必要時は医師や多職種と連携し治療方針を検討する
家族と連携し睡眠状況や生活リズムを共有する
自殺リスクや衝動性が高い場合には安全確保を行う
医師の指示に基づく薬剤投与を行う
食事摂取が困難な場合は、医師の指示に基づき点滴や栄養療法を実施する
教育計画 E-P
双極性障害と睡眠の関係について説明する
睡眠時間だけでなく睡眠・覚醒リズムが重要であることを説明する
睡眠リズムの乱れが双極性障害の再発のきっかけになることを説明する
規則正しい生活習慣の重要性について説明する
睡眠、活動、食事のバランスについて説明する
睡眠薬や処方薬を自己判断で中断・増減しないよう、服薬継続の重要性について説明する
再発徴候や早期受診の必要性について説明する
必要に応じて家族へかかわり方や支援方法について説明する
訪問看護や地域支援サービスなど利用可能な社会資源について説明する
