アスピリン内服中に消化管出血が生じた患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/11/22
アスピリン内服中に消化管出血が生じた患者さんに関する看護計画
アスピリンは抗血小板薬としてさまざまな疾患の予防、治療に用いられる一方で、消化性潰瘍や消化管出血の副作用があります。消化管出血によって吐血、下血が生じて重症化するとショックに進行するため適宜観察が必要です。今回はアスピリン内服中に消化管出血が生じた患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 血栓予防のために内服していることが多いですが、消化管出血が悪化すれば、内服を中止しなければならなくなる。そのためにも、患者さんの状態を把握し、悪化しないように努める。吐血と下血の有無、その量や性状を把握する。出血の量によっては、貧血を来たしていることも考えられるため、血液の検査データも確認する。
援助計画 T-P 出血が生じると貧血よりも先に頻脈、頻呼吸が見られるようになるため、バイタルサインなど患者さんの状態を引き続き観察する。症状に合わせて、ケアを実施していく。痛みがあれば、安楽に過ごせるよう環境を整える。
教育計画 E-P アスピリンの服用の必要性と副作用について説明する。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
消化管出血により循環動態が不安定となる可能性がある
看護目標
出血が改善して状態が安定する
観察計画 O-P
発熱、腹痛の有無、程度
吐血、下血の有無と量、性状(タール便、鮮血便など)
腹部症状の有無、程度
随伴症状の有無、程度
日中の離床状況、活動状況
検査データ(Hb、Ht、凝固能など)
画像データ(腹部CT、エコーなど)
援助計画 T-P
バイタルサイン、腹部症状の推移を確認する
吐血、下血の量や性状を観察する
安静が保てるように環境を整える
症状に合わせて安楽に過ごせるように支援する
医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
アスピリンによる消化管出血のリスクと今後の服薬管理について説明する
内服薬の適切な服用方法を説明する
疑問や不安がある場合はすぐに伝えてもらうように説明する
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